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社保、厚生年金病院存続に「地域医療推進機構法案(仮称)」を超党派で提出へ

 社会保険庁の解体に伴い先行きが不透明になっている厚生年金病院と社会保険病院を存続させるため、民主党の足立信也参院議員(医療再建議員懇談会事務局長)は10日、現在の病院運営を担う全国社会保険協会連合会(全社連)や厚生年金事業振興団(厚生団)に代わる「地域医療推進機構(仮称)」を設置する法案を超党派の議員立法で提出する方針を固めた。(熊田梨恵)

 「地域医療推進機構法案(仮称)」には、全社連や厚生団に代わって社会保険病院、厚生年金病院を運営し、自治体や公立病院と連携して地域医療再建を担う独立行政法人「地域医療推進機構(仮称)」を、国と各都道府県に設置することが盛り込まれる。病院運営は都道府県の機構が担い、国に設置される機構が全体的な調整を行う。「天下り役人の介在を厳しく排する」として、機構の職員は常勤役員を含めて20-30人。

 同機構を設立するため、自治体関係者や医師会、病院関係者、住民代表、学識経験者などから成る設立準備委員会を設置し、事務局は厚労省社会保険病院対策本部が担う。委員会は機構設置に関する準備だけでなく、現在の社会保険、厚生年金病院の経営改善や医療機能の改善・充実、職員の意識改革などの指導や助言も行うとされた。

 社会保険病院、厚生年金病院は運営効率化などのため、2004年に整理・合理化方針が決定された。独立行政法人「年金・健康保険福祉施設整理機構」(RFO)に移管され、譲渡・廃止が検討されているが、10年9月までの時限措置のため、先行きが不透明のままだ。足立議員は連立政権に関する協議の中で厚生年金病院や社会保険病院の存続に関する話が出なかったとして、「次の臨時国会に提出しないと、来年の通常国会を待っていては来年9月に間に合わない。内閣でできないのなら各法でやらなくても、超党派による議員立法でやるようにすでに準備を進めている。他の政党からも全体の趣旨には賛同のご意見を頂いている。それぐらいの覚悟でやらなければ病院で働いている人たちは今後一体どうなるのか、先が見えないままになってしまう」と話した。
 

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