山形大病院は、「国策に反している国立大学」? ─ DPCヒアリング
■ 「節約できるものは節約していく」 ─ 厚労省
[西岡清分科会長(横浜市立みなと赤十字病院長)]
あの、1つお伺いしたいんですが、実際に私、病院の院長をやっているのですが、造影剤、ほとんどジェネリックに変えました。先生がおっしゃるようなことは今のところ起きておりません。ですから、初期のころにそういうのはあった。
私、前にいた大学で導入した時に、やはり不都合なものがあって、「これは信用できないな」というのがあったが、それ以後は改善されて、かなり変わってきているので、先生の今のご発言のような形で信じておられると、これからの日本の医療自身が問題になってくるのかなと......。
[山形大病院・細矢副院長]
すみません、私の疑問をちょっと......(質問)させていただいてよろしいでしょうか。ジェネリックは、なぜ入れなくてはいけないのでしょうか? (委員ら、一様にあきれたような表情でざわつく。医療課の担当者らは、誰が発言すべきか相談している模様)
根本的な問題で申し訳ございませんが、ジェネリックを入れるということは、ジェネリックを作っている薬品メーカーを救うためなんでしょうか? それとも、やっぱり新薬を開発するための薬品メーカーを支持したほうがいいんじゃないかと私は思うんですが、いかがでしょうか、その辺。
[西岡分科会長]
(医療課へ)お願いいたします。
[保険局医療課・磯部総一郎薬剤管理官]
あの、難しい質問を......。私は医療課で薬剤管理官をやっております礒部と申します。
今の話にどこまでお答えできるかということもありますが、私がジェネリックの推進を担当させていただいているので、私のほうから考えを述べさせていただきたい。
基本的に、今、医療費、OECD諸国の平均と比べてまだまだ低いという言われ方、いろいろあるわけですが、やはり34兆円、35兆円という金額が使われていることは事実でございます。
先生もご存じのように、医療費の内訳を見ますと、半分ぐらいは人件費でございまして、実際に高齢化社会の中では医療費がある程度増えざるを得ないのは仕方ないと思っているが、やはり国民にこれだけのご負担をお願いしている立場から考えますと、やはり節約できるものは節約をしていくということもしていかないと。
これから税金の問題、保険料を上げる、上げないという問題、いろいろあるとは思うが、我々行政もそうだが、医療に携わるみんなで節約できるものはしっかり節約をして、必要なものにちゃんとお金を要求していくということが在るべき姿ではないかと思っているので、そういう視点からお願いしているところでございます。
[山形大病院・細矢副院長]
はい、それはよく理解しています。理解していますが、例えば、造影剤の話をさせていただくと、外国に比べて倍以上しております、値段がですね。もともとのジェネリックではないやつがですよ。
それから、診療器具、私が使っているカテーテル、心臓カテーテルで使う道具ですね、3倍、10倍というのがあります。(強い口調で)これを下げるのがずっと大事じゃないでしょうか? と私は思う。ジェネリックなんかよりもずっとずっと大事だと私は思いますが、いかがでしょうか? (会場から笑い声。委員や医療課は不機嫌そう)
[西岡分科会長]
ちょっと......、これは議論が外れますので......。(会場、爆笑)
申し訳ないですが、先生、あとのところはカットさせてください。ちょっと違う議論になりますので......。
[医療課・磯部薬剤管理官]
ちょっと、(後発品の)安全性の話だけ、申し上げておいて......。(中略。先発品も後発品も副作用は一定の割合で起こらざるを得ないので、原因究明のため不具合があったら報告してほしいと述べた)
いろいろなことがあろうかと思うが、1つジェネリックでそういうことがあったから全部のジェネリックが駄目だというのも、サイエンティフィックにどうかということもあるので、そのものの問題として、原因の究明、解明に努めることかなあーと思っている。
【目次】
P2 → 「ジェネリックは各診療科の裁量」 ─ 山形大病院
P3 → 「安全性が確立されていないとの証拠は?」 ─ 相川委員
P4 → 「節約できるものは節約していく」 ─ 厚労省
P5 → 「国策に反している国立大学」 ─ 邉見氏
P6 → 「大学の一番いけないところ」 ─ 西岡分科会長