山形大病院は、「国策に反している国立大学」? ─ DPCヒアリング
■ 「国策に反している国立大学」 ─ 邉見氏
[邉見公雄氏(オブザーバー出席、全国自治体病院協議会会長]
(平成)18年度改定から20年度改定で、日本医師会は苦渋の決断をしたと思う。今までジェネリックにはあまり賛成ではなかったが、(後発品の使用を促進するよう処方せんの様式を変更する)20年度改定をした。
それはなぜかというと、限られた医療費の中で、やはり技術料とかチーム医療とか、いろいろなシステムとか救急とか、もっと大事なものがあるだろうと、薬より。そういうことで苦渋の決断をされたと思う。(日本医師会常任理事の木下勝之委員、笑みを浮かべる)
我々も、同じようなことを自治体病院、薬事委員会などでやっていますと、やはりドクターでなかなか賛成しない人が一杯いる。その中でも、私も礒部管理官に申し上げたが、医学、薬学教育の中でジェネリックというのは1行も1コマもない。その辺を直してほしいと申し上げたが、それが別の(文部科学)省ですね、という話になってしまう。いわゆる縦割りということで。
ここはですね、最後はですね、「院長がジェネリックやないか」などと言われたので私も辛いものがありました。だから、世間一般がジェネリックを認めていない、薬剤師も。事務は薬価差が少ないとか、いろいろなことを言って進まないわけだが、やはり、諸外国と比べると数量も金額も低い。
だから、一番の問題は、(中医協)薬価専門部会でも(意見が)出ましたが、DPCに一番初めに入った大学病院、特定機能病院が進んでいないんですね。やはり、どこの病院(の医師)も、しばらく大学にいてから来る人が多いわけですから、そこがちゃんとやらないと、これはジェネリックが進まないんですねぇ。
そうしますと、国策に反している国立大学ということになりますので......(会場、爆笑)、ぜひ、その辺のところはお考えいただきたいと思います。
[山形大病院・細矢副院長]
今、国立大学ではないですね。国立大学法人でございますので......(会場、笑い)。
文科省あるいは厚労省の話はできるだけ聴くようにはしているが、「病院の方針としてどうか」と言われますと、これは帰ってきちんと協議してからでないとお答えできませんが、基本的に診療内容をですね、病院としてこれを使えとか、いうことは......、病院の管理者としてはしない方針なんですね、我々としましては。
ですから、(当院の)薬事委員会で「このジェネリックを使いましょう」ということをいただければそうなるが、薬事委員会の方針がどうなるか。(中略)
【目次】
P2 → 「ジェネリックは各診療科の裁量」 ─ 山形大病院
P3 → 「安全性が確立されていないとの証拠は?」 ─ 相川委員
P4 → 「節約できるものは節約していく」 ─ 厚労省
P5 → 「国策に反している国立大学」 ─ 邉見氏
P6 → 「大学の一番いけないところ」 ─ 西岡分科会長