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新型インフル ワクチン1回化は「科学の仮面かぶったデタラメ」


 「議論の判断材料になった臨床試験のデザインは非劣性試験といって、標準治療が存在する時に、効果は劣る代わりに別のメリットがあるような治療法をテストし、劣る効果と得られるメリットとを比較検討するためのもの。今回の場合、標準治療は2回打ち、効果は抗体価の上昇、メリットは接種人数が増えること、になる。だから、試験結果の正しい読み方は、2回打ちに比べて1回打ちは抗体価の上昇が10ポイントほど低いけれど、それを容認してでも接種人数を増やすべきか、ということになる。こんなのは学生でも半年ぐらい勉強すれば分かること。なぜこんな簡単なことを間違えるかと言えば、専門家会議と言いながらメンバーは素人だからだ」

 さらに「百歩譲ってメリットが上回ることを認めたとしても、20歳以上の人を対象にした試験で、なぜ13歳以上まで適用を広げられるのか。科学的には言えるはずがない。特に今回は中高生の罹患も重症化事例も多いことが知られていて、成人と様相が明らかに異なる。臨床試験の勉強をした人なら絶対にしないような合意をしてしまっている。この国は危険だ。素人が判断して、それを皆で拝んでいる」と述べた。

 同じく講演会で講師を務めた森澤雄司・自治医大感染制御部部長も「そもそも抗体価が上昇するからといって、ワクチンに効果があるとは限らない。また、海外のワクチンが1回で効果があると言っても、それと国産ワクチンとは全く別物。それぞれ独立に判断しなければならない。前提条件を3重にも4重にも間違えている。以前は確信犯的にやっていると思っていたのだけれど、最近は本当に知らないんじゃないかと思うようになった」と、講演会終了後の取材に対して語った。

この講演会の模様は別稿にて

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