10ミリバイアルはメーカーの事情 長妻厚労相
長妻昭・厚生労働大臣は6日の参議院予算委員会で、国産ワクチンの供給量が上方修正される要因となった10ミリリットルバイアルの使用について、「(国内4社のうち)1社が、1ミリリットルの容器で新型のワクチンを作るとすると季節性インフルエンザワクチンの製造を中止しなければいけないという話もあって、我々としては量を確保するためにギリギリの判断をさせていただいた」と述べ、積極的に選択したわけではないことを明らかにした。(川口恭)
舛添要一・前厚生労働大臣の質問に答えた。舛添氏は前大臣として、「私はその話を認可しなかった」「新たな薬害になりかねない」「官僚に騙されないように」などと追及。大臣の答弁は途中から首尾一貫しなくなり、鳩山由紀夫首相も加勢して何とかしのいだが、もし10ミリバイアルが原因で健康被害を生じた場合は首相の責任も免れない状況になった。
この日の主なやりとりは以下の通り。
舛添
「私がおった時、新型インフルエンザワクチンの培養で1800万人までしかできないということだった。私が辞めてすぐ2700万人分まで上がった。この上方修正の理由をお聞かせいただきたい」
長妻
「当初見積もっていた時点では、ワクチンを出荷する時の容器、バイアルと言うが、容器の大きさを全て1ミリリットルで出荷しようとしていた。しかし昨今のワクチン不足ということで、容器の半分については10ミリリットル10倍大きな容器で出荷しようと、そうすると梱包とか色々な手間としてその部分が製造量が大きくできる。もう一つ、当初発表する時に間違いがあってはいけないということで予想される培養量から2割減らして発表した。実際にやってみないと分からないので予想されるものより低まっては大変なことになるので、8割の量で国民の皆さんに発表した。その後、試験を繰り返したところ実際に予想通り10割で培養量が確保できることになったので、その2つの大きな要素で上方修正した」
舛添
「10ミリバイアルの安全性については確信を持たれているか」