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12月4日の中医協 (ブリーフィング) 

■ 総会② ─ 平成22年度診療報酬改定に関する意見具申
 

[保険局医療課・尾崎守正課長補佐]
 (平成22年度診療報酬改定に関する中医協の)意見書(案)を公益委員に作っていただいて、これを出してご議論をいただいた。2号(診療)側を中心に、「医療費の底上げということをもう少し書いてほしい」という議論がございました。

 (診療側の)西澤(寛俊)先生(全日本病院協会会長)から、昨日の(社会保障審議会の)医療部会でそういう(医療費底上げの)議論がまとまったようなお話をされましたが、(支払側の)白川(修二)さん(健保連常務理事)は「そうじゃなかったんじゃないか」というお話をされていました。

 私は(昨日の医療部会に)出ておりましたが、少なくとも「まとまった」ということはなかったんじゃないか。意見としては、(同部会は診療側の委員のほうが多いので)確かに底上げを求める意見は人数配分からして多かったのですが、健保連の方も経団連の方も「底上げは難しいのではないか」というご発言をされて、(齋藤英彦)部会長がそれを踏まえた上で「座長預かりにしてまとめます」ということで終わっています。
 最終的に座長がどういう判断をするかですが、昨日の段階では「底上げで一致」ということはなかったのかなと思っています。その上で、白川さんはそういうお話をされた。

 ▼ ブリーフィングの質疑で、「(斎藤)部会長は『底上げに力点を置いてまとめたい』と発言した」との指摘があったが、尾崎補佐は次のように回答した。「基本認識の書きぶりで、医療に対する課題が2行ぐらい書いてあって、『保険者が大変だ』というのが5行ぐらい書いてあったので、中医協で言えば1号(支払)側に力点が置かれすぎているのではないかとのご発想があったのかなと思う」

 そのほか、1号(支払)側の意見の中で、「保険料の引き上げに直結するような診療報酬の引き上げを行う環境にはなく(、限られた財源を効率的かつ効果的に配分するよう見直していくべき)」と書いてあるので、2号(診療)側から「保険料の引き上げがない診療報酬の引き上げなら構わないのか」というご指摘というか、ご質問が出された。

 それに対して(支払側の)白川さんから、「今のルールでは診療報酬を引き上げれば必ず保険料は上がるんだから、ただ単にいわば修飾語的に書いてあるものであって、診療報酬の引き上げそのものに反対です」というお話をされたということでございます。

 ▼ ブリーフィングの質疑で、尾崎補佐は次のように述べた。「現行のルールでいけば、(診療報酬を上げれば保険料が)上がるということが直結している。税金で全部穴埋めをするなら上がらないかもしれない。診療報酬の引き上げなのか、補助金の交付なのか、いろいろと整理が必要だろう」

 その後、遠藤会長から(意見書の)4番(平成22年度診療報酬改定について)の1つ目の丸でございましょうか、「診療報酬の本体についてはマイナスをしなくていいのではないかというような旨を(診療側と支払側の)共通認識として入れられないか」というお話が出ましたが、1号(支払)側は特に明確な回答がなかったと思います。急にきかれて準備ができていなかったんだと思います。

 2号(診療)側は、西澤さんから「診療報酬本体ではなくて(薬価等を含めた)ネットの引き上げじゃないと駄目なんだ」というお話が出されて、「では調整ができませんね」ということで遠藤さんがその案を取り下げた。

 最終的に、(意見書について)1号(支払)側としては恐らく、「これでご異存がない」ということだったと思いますが、2号(診療)側としては「いろいろ意見が言いたい」ということだったようですので、次回までに2号側としての「修文の案」と言いましょうか、「修文の意見」と言いましょうか、そういったものを出していただいて再度議論するということで終わったということでございます。私の説明は以上でございます。
 
 ▼ 寒空の下、朝5時半から並んでいる傍聴者のことも考えて、もう少し内容のある議論をしてほしい。

 
 (この記事へのコメントはこちら)

 

【目次】
 P1 → 基本問題小委員会① ─ 後期高齢者に係る診療報酬
 P2 → 基本問題小委員会② ─ 介護保険との連携
 P3 → 基本問題小委員会③ ─ 専門的入院治療
 P4 → 総会① ─ 医薬品の薬価収載等
 P5 → 総会② ─ 平成22年度診療報酬改定に関する意見具申

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