あまりに空虚な議論 新型インフル ワクチン検討会
久保
「ワクチンを打ってから数時間という、明らかに悪化させているように見える例が死亡はないけれど重篤例の方に何件かある。喘息を悪化させている可能性はある。死亡例の方は何ともいえないけれど関係していると考えた方がよい」
松本
「死亡例はどうか」
久保
「喘息の重症患者さんが数例ある。しかし喘息が悪化してとは書いてない。悪化して亡くなったのか、報告書を読む中ではハッキリしない」
岡部信彦・国立感染症研究所感染症情報センター長
「全体的なことで申し上げていいか。今のところ、高齢者の感染者数は多くないようだ。患者は小児科領域に多い。しかし発症した場合の危険性は、やはり高齢者それも致死率が高いのは基礎疾患を有する人ということに変わりはない。そういう人がハイリスクだから、そういう人たちに接種するという考え方でスタートしているはず。季節性の場合も、高齢者が必ずしも発症しやすいわけではないけれど、ハイリスクだからということで高齢者に接種している。
今は高齢者の罹患が少ないけれど、今後時間とともにポピュレーションが高齢者に動いていく可能性は否定できない。よって、依然として対象者を変える必要はなかろう。ワクチン接種の根本的考え方を変える必要はない。ただ個々の症例が接種対象になるかどうかは臨床現場での判断になるので、その辺の裁量を十分に認めるようは配慮が必要だろう」
松本
「ワクチン接種がトリガーになる得るような人に接種する場合は、接種の際に十分に注意を払うことという現在の新型インフルエンザ対策本部の対応で十分と考えるか」
岡部
「トリガーのファクターが想像できればいいが、現在までのところない。そういう状況である決定をしなければならないのだから、リスクをどう考えるかで動いていい。桃井先生の言うようなファクター分析もすべきだし、それと同時に今日の段階で何か重大な事例が起きているとは考えていない」
岡田
「我々小児科学会の分析では、肺炎が重症化する例はかかってから24時間以内というのが非常に多い。慢性呼吸器疾患を抱えるような患者にとって、感染がリスクであることは間違いないので、効果と副反応とを正確に出していくことが必要でないか」
松本
「喘息の発作を起こしている最中に打つことはやめた方がいいと」
そんな打ち方してるの!?
岡田
「接種前に診察をしているから発作中には打ってないだろう。しかしコントロールがうまくいっている例でも、悪くなっていることがある」