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ニュース〜医療の今がわかる

あまりに空虚な議論 新型インフル ワクチン検討会


 稲松
「抗原刺激で悪化する可能性はある。しかしながらワクチンとインフルエンザとでは、その刺激の程度は雲泥の差であるということを一般の人に理解していただくことと、悪いことが起きる可能性はあるから起きた時に十分な対応をできるような準備をしておくことが必要だろう」

 是松
「成人の場合はほぼ毎日喘息発作があるけれど、小児の場合は何カ月かに1度というのが多い。その場合でもワクチンのリスクなのか。むしろ喘息よりも、先ほどお話のあった先天性代謝異常とか重症心身障害児のように衰弱しているお子さんの方が危険性は高い。成人は在宅酸素投与をしている例のように、ハイリスクの感じを示したいけばよいのでないか」

 松本
「現場の先生が個々を見て判断すべきということになるか」

 川名
「インフルエンザに限らずワクチンというものは基礎疾患のある人は要注意接種者になる。通常は健康な人が熱もなく状態に問題ない時に打つものなのに、今回はハイリスクの人から優先的に接種しているところに特徴がある。健康な人でも迷走神経反射で血圧が90とか100ぐらいまで落ちてしまうことはある。それでも健康な人なら問題ないけれど、脳梗塞とか虚血性心疾患ある人はそれで基礎疾患の増悪につながることはある。そういう時に、ではワクチンが悪いのかというと針刺しに対する反射もあるわけで、いろいろな事象についてワクチンが悪さしていると決めつけることは慎重にしないといけない」

 松本
「データを今年明らかにして今年に役立てるのは無理だ。対策本部の対応に不足の部分はあるか、今までの対応でよろしいか」

 飯沼雅朗・日本医師会常任理事(参考人)
「質問。ロット別の副反応報告を見ると、ロットの若いものに随分と重篤例が多いようだ。この頃は医療従事者にしか打ってないと思うのだが、現場の方々が特に注意深く見ていたというようなことで、ロット別に副作用の出方はあるのか。それから後の方になると落ち着いてきているけれど、これから出てくるのは、このように落ち着いてくると考えてよいのか」

 事務局
「重篤例は出荷日の早いロットの方が報告率の高い傾向はあるが、11月後半に出荷している分は接種までとその報告が上がってくるまでのタイムラグがあって、これから出てくるかもしれないので、まだ数字が十分に熟していない可能性がある。早い時のものについては。先生ご指摘のように医療関係者に打っている影響もあるだろう。死亡の部分も数字から類推すると、基礎疾患のある高齢者に打たれた時期のものが高めに出ている。ロットごとにスペシフィックなものがあるか分からない」

 松本
「では改めて対応を変更する必要はないということでよろしいか」

(以下略)
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