12月22日の中医協 (ブリーフィング)
■ 総会③ ─ 後発医療品の使用促進のための環境整備の骨子
[保険局医療課・磯部総一郎薬剤管理官]
(平成22年度薬価制度改革の骨子案に続いて)「後発医療品の使用促進のための環境整備の骨子案」についても今日の総会で了承されたわけですが......。
毎回毎回のことですが、後発医薬品の安全性の担保、確保、そうしたものの周知・徹底をきちっとやってほしい(ので骨子に明記してほしい)というご意見が特に2号(診療)側の委員から強くありまして......。
▼ 後発品の使用を促進する医師の努力義務を「療養担当規則」に書き込むのであれば、それに対応した国の責任も明記すべきとの主張。磯部管理官は骨子案の冒頭に「後発医薬品の品質面での信頼性確保とその周知に一層努める」との文言があると回答したが、「療養担当規則」の箇所にも記載するよう求める意見が出た。
その点については、「少し文言を直す」ということで(遠藤)会長に一任されていますが、内容的には1ページの「基本的考え方」に「後発医薬品の品質面での信頼性確保とその周知に一層努める」とあります。
つまり、安全性や品質について、十分に国が安全確保をして周知もやると。こういう趣旨の内容を4ページ(保険医療機関及び保険医療養担当規則等の改正)の所にですね、どんなふうに書いていくのかということが宿題として残っておりまして、その文言については別途、遠藤会長と......。「遠藤会長に一任され、調整する」という形でございます。そういう点が中心の議論でございました。
そのほか、(同日の意見を踏まえて)修正した所を申し上げると、3ページ(薬局における含量違い又は剤形違いの後発医薬品への変更調剤)の(4)です。
(4)なお、上記(1)及び(2)において、含量規格が異なる後発医薬品又は類似した別剤形の後発医薬品への変更調剤を行った場合には、原則として、調剤した薬剤の銘柄、含量規格、剤形等について、当該処方せんを発行した保険医療機関に情報提供することとする。「原則として、調剤した薬剤の銘柄......」とありますが、「原則としてとはどういうことか」という(削除を求める)意見が(診療側の安達秀樹委員・京都府医師会副会長から)ありました。
私からは、「保険医療機関側のほうでいちいち報告がいらないというケースもあるので、そういったことも踏まえて『原則として』としている」というお話をさせていただいて、当然、そういった場合は......、そういうことであれば「原則として」というのを取ってもいいのではないかということがございましたので、「原則として」という記載は削除するという修正がなされたところでございます。
そのほか、修正ではございませんがご議論があった点は3番(医療機関における後発医薬品を積極的に使用する体制の評価)の(1)です。
(1) 医療機関における後発医薬品の使用を進めるため、薬剤部門が後発医薬品の品質、安全性、安定供給体制等の情報を収集・評価し、その結果を踏まえ院内の薬事委員会等で採用を決定する体制を整えるとともに、後発医薬品の採用品目数の割合が 20%以上の医療機関について、薬剤料を包括外で算定している入院患者に対する入院基本料の加算として、診療報酬上の評価を行うこととする。包括外(出来高)で算定している入院患者についての(入院基本料の)加算ということですが、鈴木(邦彦)委員(茨城県医師会理事)から包括払いをしている病院でも院内の体制をしっかり組んで安全性の評価や情報収集を一生懸命にやっているので、「包括払いの場合も評価できないか」というご意見もありましたが、「そういうものまでやるのか」というご議論がありました。結論的には修正するまで至らなかったということです。
議論があったポイントは大体そんな所でございます。結論的には、若干の修正を会長一任の上、了承されたということであります。
▼ 総会の最後で、次期改定に関する意見を支払側の白川修二委員(健保連常務理事)、診療側の安達秀樹委員(京都府医師会副会長)が述べた。特に議論もなく、今年最後の中医協は2時間弱で終了した。
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【目次】
P1 → 薬価専門部会 ─ 平成22年度薬価制度改革の骨子案
P2 → 総会① ─ 平成22年度保険医療材料制度改革の骨子
P3 → 総会② ─ 平成22年度薬価制度改革の骨子
P4 → 総会③ ─ 後発医療品の使用促進のための環境整備の骨子