12月22日の中医協 (ブリーフィング)
厚生労働省は12月22日、今年最後となる中央社会保険医療協議会(中医協、会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)の薬価専門部会と総会を開催した。会議終了後に厚労省の担当者が行った記者ブリーフィングの概要をお伝えする。(新井裕充)
【前回までの中医協】
○ 12月18日の中医協 (ブリーフィング)
○ 12月16日の中医協 (ブリーフィング)
○ 12月11日の中医協 (ブリーフィング)
○ 12月9日の中医協 (ブリーフィング)
○ 12月4日の中医協 (ブリーフィング)
■ 薬価専門部会 ─ 平成22年度薬価制度改革の骨子案
[保険局医療課・磯部総一郎薬剤管理官]
薬剤管理官の磯部です。よろしくお願いいたします。それでは(説明を)......、どうしましょうか、(薬価専門部会と総会で了承された)薬価(制度改革の骨子案)と、(総会で大筋了承された)後発品(使用促進の骨子案)がありますが、まとめて説明したほうがいいか分けたほうがいいか......。では、まとめて説明します。最初の(平成22年度)薬価(制度改革の骨子案)から説明します。
今日は、薬価専門部会と総会で「平成22年度薬価制度改革の骨子案」についてご審議いただきまして、基本的にはこの内容について特段修正する部分もなく了承されたというのが結論でございます。
薬価専門部会で小林(剛)委員(全国健康保険協会理事長)から(後発品のある先発品の薬価について2%を超える引き下げができないかという)質問があり、私も(財務当局と折衝中のため2%のまま記載したと)お答えして、遠藤部会長も(まだ決まっていないと)お話しされていました。
ご承知のようにですね、来年度の予算編成をやっている最中でございます。特に、診療報酬改定についてはですね、まだまだ財政当局と調整中でございます。診療報酬(改定率)全体の議論でありますけれども、そういう中で、薬価についても(新薬創出・適応外薬解消等促進加算で830億円という)今回大きな変革をしております。
そういった部分について特にお話がありますのは、「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」(薬価維持特例)の(加算)率の問題(プラス830億円)と、それから後発品のある新薬の引き下げ率(マイナス530億円)、こういった所が中心論点になります。
財政当局との調整が最終的に終わっていませんので、その状況いかんによっては後で、(加算率や引き下げ率に)一部修正があり得るということで、その点については遠藤(部)会長に一任されたという形で(骨子案の承認を)決めております。
ただ、遠藤(部)会長もですね、当然、これ(薬価維持特例)が財源をより食う(ことになった場合にどうするか)という話はちょっとまた別だというお話をされていました。「同じか、または下がるということであれば一任いただきたい」ということでした。それが(平成22年度薬価制度改革の骨子案の)結論です。
あと、(同部会で)意見があったのは(骨子案)3ページの「最低薬価」について。
最低薬価(見なし最低薬価を含む。)が適用されている品目の中には乖離率が大きなものも含まれていることから、その市場実勢価格を考慮して最低薬価を見直すこととする。松谷(高顕)専門委員(東邦ホールディングス会長、日本医薬品卸業連合会副会長)から、最低薬価は非常に企業に(与える)影響が大きいので「きめ細かく」というか、きちっと見てほしいという意見がありました。そのほかは、特段の意見がなく了承されたと理解しています。
具体的には、乖離率が全既収載医薬品の加重平均乖離率を超える剤形区分の最低薬価については、加重平均乖離率を超える部分の率を引き下げることとする。
【目次】
P1 → 薬価専門部会 ─ 平成22年度薬価制度改革の骨子案
P2 → 総会① ─ 平成22年度保険医療材料制度改革の骨子
P3 → 総会② ─ 平成22年度薬価制度改革の骨子
P4 → 総会③ ─ 後発医療品の使用促進のための環境整備の骨子