「価格付けに中医協が関与しないのは問題」 ─ 遠藤会長
■ 「ある程度誘導できる」 ─ 厚労省課長
[保険局医療課・佐藤敏信課長]
はい。「認知症患者地域連携加算」というのが......、安達秀樹先生がそう(いう意味で)おっしゃったのかどうか分かりませんが、恐らく、「屋上屋(を架すのと同じ)じゃないか」とか、「ほかの点数で代替できるんじゃないか」というようなニュアンスのことをおっしゃったんだろうと思います。
▼ 厚労省は「認知症患者地域連携加算」の新設を提案している。算定要件は、「外来で管理している認知症患者について、症状の増悪や定期的な評価が必要な場合に、専門医療機関に紹介を行う際の診療情報提供料(Ⅰ)に加算する」としている。
ただ、ここで多少やっぱり......、新規の項目で立てたのは意味がありまして、(昨年11月11日の)基本小委でも申し上げましたが、(早期の鑑別診断を行う専門機関である)「認知症疾患医療センター」は、(全国に150整備する)目標にはまだほど遠い状況で、数が(50程度で)大変少のうございます。
▼ 厚労省の提案によると、「認知症専門診断管理料」を算定できるのは、「認知症疾患医療センター等の専門医療機関」で、「認知症の鑑別診断を行い、療養方針を決定して患者及び家族に詳細な説明を行った場合に算定する」としている。
ここで、先ほどから何度も申し上げますように、鑑別診断を行ったり治療方針を決定していただくんですが、ただでさえ少ないセンターで鑑別診断を行い、療養方針を決定していただいて、患者さんがそのままそこで、ま......。
「滞留」と言うと言葉は良くないのですが、そこでまたさらにフォローも受けていただくということになると、センターが必ずしも十分に回らないことになりますから、できる限り、そこで鑑別診断や療養方針が決定された後は外来で管理している、フォローしてくださる先生の所に流れるようにという意味合いも含まれているとご理解ください。
こうした取り組みというのは私ども、「必ずしも十分でない」と関係局からも聞いていたものですから、こういう(認知症患者地域連携という)名称を付けることで、「ある程度誘導できる」と申しますか、「促進する意味はあるんだろう」と思って提案させていただきました。
[安達秀樹委員(京都府医師会副会長)]
すみません、一度だけ重ねて申し上げます。
[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
安達委員、どうぞ。
[安達秀樹委員(京都府医師会副会長)]
体制の中で、おっしゃるように(認知症疾患医療)センターの数が少ないんですよね。これが増えないと社会的ニーズには応じられないだろう。
それで、そこ(認知症の鑑別診断など)を終わって普段の経過観察等々をしていくほうは、決して足りないわけではございませんと私は申し上げているわけでございまして、現状でもいくらでも受け皿がございます。
「この点数があるから」「ないから」と言って、受け皿が増えるとか減るとかいう話ではないと、そういうことを申し上げた。そういうことでございます。
[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
専門医療機関の不足がむしろ問題なんだということで、多少のインセンティブを付けても問題の解決にはならないということですね?
[安達秀樹委員(京都府医師会副会長)]
(資料の)上のほう(認知症専門診断管理料)は必要。下半分(認知症患者地域連携加算)はなくても同じだろうと、そう申し上げた。そういうことでございます。
[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
はい、分かりました。それに対して、先ほど事務局(保険局医療課)から回答があったわけです。(中略)
【目次】
P2 → 「優先順位があるなら『71点』の議論を」 ─ 安達委員
P3 → 「ある程度誘導できる」 ─ 厚労省課長
P4 → 「遠慮なく受け取っていただければ非常にありがたい」 ─ 伊藤委員
P5 → 「価格付けに中医協が関与していないのは問題」 ─ 遠藤会長