「価格付けに中医協が関与しないのは問題」 ─ 遠藤会長
4月の診療報酬改定に向けた審議が大詰めを迎えている中央社会保険医療協議会(中医協)で、遠藤久夫会長は「価格をどう付けるかが優先順位だが、それについて中医協は事実上、関与してない。そこが非常に問題だと思っている」と述べた。(新井裕充)
昨年末、厚労省と財務省の大臣折衝で決定した改定財源は入院4400億円、外来400億円で、入院と外来の枠が既にはめられている。しかも、「急性期入院医療に概ね4000億円程度を配分する」とされており、既に配分の優先順位は決まっている。
残るは細かな個別点数の優先順位を決めることだが、これは厚労省保険局医療課の専権事項ともいえる。とすると、診療報酬の配分を審議する中医協では今後、何を議論するのか─。
1月29日の中医協で、支払側の北村光一委員(経団連)が「優先順位は最終的にどう決まっていくのか」と質問。これに保険局医療課の佐藤敏信課長は「まさにこれ(個別改定項目)が優先順位」とした上で、「点数をたくさん付けるのか、そうじゃないのかというところは、またちょっと別の話になる」と回答した。
これに対し、遠藤会長(学習院大経済学部教授)は「まさにその価格をどう付けるかが優先順位だが、それについて中医協は事実上、関与していない」と指摘、「そこが私は非常に問題だと思っている」と述べた。詳しくは、2ページ以下を参照。
【目次】
P2 → 「優先順位があるなら『71点』の議論を」 ─ 安達委員
P3 → 「ある程度誘導できる」 ─ 厚労省課長
P4 → 「遠慮なく受け取っていただければ非常にありがたい」 ─ 伊藤委員
P5 → 「価格付けに中医協が関与していないのは問題」 ─ 遠藤会長