ラグは本当に減るのか 未承認薬・適応外薬検討会スタート
堀田
「保険に関しては中医協もあり、ここの議論を超えるようなものはあるかもしれない。役割分担しないと」
伊藤
「保険で支払いを認められたら、企業は開発をしなくなるんじゃないか」
堀田
「他に何かないか。後になってから根本に立ち返るような議論をされると困る」
藤原
「薬事承認と保険支払いが他国では分立しているから、薬事承認が少々遅れても患者は困らない。もちろん薬事承認されれば、安全性調査が行われるし健康被害の救済も行われるから、その方が望ましいには違いないが、しかし薬事承認と保険支払いとが分けられていないから混乱するのでないか」
多くの関係者が頷いたであろう根本的な指摘だ。しかし
磯部薬剤管理官
「諸外国ではたしかに保険支払いの方が範囲は広めになっている。しかし我が国の場合は、同じ大臣の下で薬事も保険も決められる。薬事承認の判断は、その医薬品が有効で安全であるかが大前提であり、そこがハッキリしないものに保険を認めるわけにいかない。保険の判断も限りなく薬事に近づいてくるはず。薬事で認めないのに保険を認めるとは具体的にどうやるのか、その組織はどんな機能を持つのかと考えると、基本的には薬事の判断となる。もちろん先ほども話が出たように、現場での個別の判断は、支払基金がやっていると承知している」
木で鼻をくくったようとは、まさにこのことか。
そして議題は薬剤開発までの流れに移った。
五十嵐
「日本の薬事承認に関して言うと、小児分野では適応もないし使用経験もないという薬剤がほとんど。ぜひ小児については、日本で治験しないでも、外国で確固たるものがあれば、全ての薬物が小児で治験やらないでも使えるようにしてもらいたい」
村山
「小児分野は既に議論が相当煮詰まっているので優先してほしい」