へき地で働く医師の背景と思い
2009年10月30日に開催された厚生労働省の「へき地保健医療対策検討会」 第3回会合で、自治医科大学・地域医療学センター長の梶井英治氏が示した資料をご紹介する(出典:同検討会の資料、および議事録)。
【厚労省医政局医療確保対策専門官】
ただいまから、第3回「へき地保健医療対策検討会」を開催いたします。委員の皆様方には、本日大変お忙しい中ご出席賜りまして、誠にありがとうございます。(中略)
【梶井英治座長(自治医科大学教授、地域医療学センター長)】
ご議論の前に、今日はお2人の委員のプレゼンテーションをまずお聞きして、それから話に入りたいと思います。(中略)
どうもありがとうございました。ただいま、お二人の委員からプレゼンテーションしていただきました。最初に、医療改革提言をお作りになられたことから、そういうことを背景に、いまの地域医療、へき地医療についての総論的なお話、さらにこの中からのご提案を前野委員からはいただきました。
それと、これまでのへき地保健医療計画に関わってこられた、あるいはその分析等を通して吉新委員からは、いま、この検討会で何を検討すべきか。非常に具体的なご提案、ご提言をされたと思います。それを進めるための諸課題についてもお示しいただきました。この二人のお話を踏まえながら、残りの時間、皆様とご議論したいと思います。(中略)
【澁谷いづみ委員(愛知県半田保健所長)】
先ほど来出ていますけれども、へき地の医療拠点病院というのは地域の中で考えても、地域医療を担う非常に重要な病院なのです。自治体の経営改善計画をそれぞれの自治体病院が作ったのですが、そういうものの医療圏域内での調整は保健所がしています。
しかし、もう少し広い視点から都道府県単位で全体を見た調整が必要です。確かに新人の研修医の先生たちは新しいシステムで、自分たちで病院を選んでということなのですが、以前からいる先生たちは、それぞれの出身大学と地域の病院とのつながりが依然あるわけです。
そういうことも考えると、都道府県単位で全体の医療を見た中で、大学病院や第三者が公平に見て人の遣り繰りの調整ができるような、そういう協議会のようなものが都道府県に1つずつ必要ではないか。その中に、へき地医療ということも含めて重点的に考えてもらう。へき地医療の拠点病院ということで重視して調整してもらう。
そういうものを設置しないと、地域ごとでの連携調整というのは、ある程度医療圏か、医療圏をもう少し越したぐらいの範囲でできるかもしれませんが、それ以上の調整は都道府県の責任で、しかも大学病院を巻き込んだ形でやる仕組みが必要ではないかと思います。
【梶井英治座長(自治医科大学教授)】
ありがとうございました。まだ議論していただきたいと思いますが、かなり教育やキャリアパスの話にも入っています。実は資料を用意しました。
【目次】
P2 → へき地医師の特徴
P3 → へき地医師が重視している事柄
P4 → へき地医師が満足している事柄