大きな拍手の中、初登庁 ─ 小宮山厚労相
午後8時45分、中央合同庁舎第5号館。正面入り口は大勢の報道陣や厚労省の職員らでギッシリ埋まっていた。小宮山厚労相が到着すると、庁舎入り口の自動ドアが開くよりも早く、拍手がわき起こった。
小宮山厚労相は満面の笑みで同省幹部と握手を交わし、すぐにエレベーターに乗り込んだ。
9時、会見室に入ると、「また帰ってきてしまいました」と冗談交じりに笑った。記者も笑った。2年前のあの時のような張りつめた空気はもうない。
初登庁後の記者会見では、「力を入れたい政策」として、被災者支援、社会保障と税の一体改革の具体化、雇用のセーフティーネット拡充─の3本柱を示した。
質疑で、日経記者から「年金や医療についてどう直していけばいいか」と尋ねられると、「医療について問題が非常にたくさんあることは認識している」としながらも、「小手先でやっててもなかなか変わらない部分がある」と指摘、「医療の偏在」「ドラッグ・ラグ」「デバイス・ラグ」「国際的な競争」などのキーワードを一通り挙げた。
その上で、次のように抱負を語った。
「医療とか年金、介護、その辺りは『効率化ができていない』と財源を考える人たちから言われているが、超少子高齢社会の中、やはり生活の安心、国民の生活が第一と言ってきた政権なので、しっかりと取り組んでいきたい」
会見の模様は以下の通り。
[小宮山洋子・厚生労働相]
また帰ってきてしまいました。(笑い) さよならをしたはずだったんですけれども......。(記者ら、笑い) よろしくお願いいたします。
一瞬、皆さんとさよならをしたかと思ったんですけれども、今度は大臣という重責のあるポストで戻ってきてまいりました。
また今後とも皆さん、よろしくお願いいたします。
1年弱、副大臣を務めまして、労働、子どもの他に、広報担当副大臣ということも細川前大臣から拝命しておりましたので、皆様方とは1年間、私としてはいいお付き合いをさせていただいたかなあと思っています。
このたび、厚生労働大臣を拝命いたしましたので、一層気を引き締めてしっかりとリーダーシップを取っていきたいと思っています。
それで、先ほど官邸のほうの会見でも申し上げたんですけれども、野田総理からもいろいろなご指示を頂きました。
本当に、厚生労働分野は生活に密着した幅広い分野なので、総理からの指示書というのが大体、A41枚に普通は入りそうなんですけれども、厚生労働分野は2枚にわたっておりまして、それだけの広い分野をしっかりとやるようにというふうにご指示を頂きました。
【目次】
P2 → 力を入れたい3つの政策
P3 → [質疑] 子ども手当について
P4 → [質疑] 派遣法の改正について
P5 → [質疑] 年金、医療について
P6 → [質疑] 原爆症認定制度の見直しについて
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