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体からの定期連絡 便が変だったら

46-1-1.JPG大便には、体の健康状態がよく現れます。
快便でなかった場合、その原因が何なのか
自分の体と対話してみませんか。
監修/釣田義一郎 東京大学医科学研究所病院講師

望ましい色・形・匂い

 排泄物に対して、なぜ「便り」という文字が使われているのか考えてみると、興味深いものがあります。実際、大便の色や形、匂い、量、頻度などから、体の状態がかなり分かります。
 大便は、口から摂取された食物が胃、小腸、大腸を通って消化吸収された後に出てくるもの。その中身は、量の多い順に、水分、腸の細胞が死んで剥がれたもの、腸内細菌の死骸、消化されなかった食物カス(主に食物繊維)、消化管の分泌液などです。
 通常時には含まれないようなものが便に入ってきた、あるいは消化管の働きがおかしくなったという時、便の色・形状・匂いに変化が起きたり、下痢や便秘になったりします。
 今回の特集では、生活の質に直接影響を与える下痢・便秘の際、体に何が起きているのかを主に説明していきます。が、その前に色や形状、匂いについても簡単に説明しておきます。
 ①色
 通常の場合は、胆汁の中に含まれるビリルビンという物質の色が見えます。ビルリビンは酸性なら黄色に、アルカリ性なら茶色に染まります。
 便が酸性かアルカリ性かは、腸内に棲みついた細菌の種類によって変わり、いわゆる「善玉菌」が多いと酸性に、「悪玉菌」が多いとアルカリ性に傾きます。穀物、豆類、野菜類など糖類や食物繊維を多く摂取すると善玉菌が増え、肉など動物性たんぱく質や脂質を多く摂取すると悪玉菌が増えます。一般に黄色に近いほど、食生活と腸内環境は健全であると言えます。ただし茶色だからといって病気ではなく、受診の必要もありません。
 一方で明らかに異常、すぐに受診した方がよいという色もいくつかあります。黒い場合は、胃や十二指腸などからの出血、つまり癌や潰瘍などが疑われます。黒は、血の中に含まれる鉄分が消化管を通ってくる間に酸化した色です。鮮やかな赤の場合は、大腸から出血した血が酸化する間もなく出てきています。やはり癌や腸炎、痔などの可能性があります。白い場合は、胆汁が含まれていないことになります。胆道閉塞の他、いくつかの感染症が疑われます。
②形
 いきまず、するっとバナナのようなものが出るのが理想です。一般に善玉菌を増やすような食事だと固形分が増えて太く長くなり、悪玉菌を増やすような食事だと細い便になる傾向があります。水や泥の状態は下痢便ですし、タール状のものは出血や粘膜の剥離、吸収障害などが疑われます。硬すぎると便秘の可能性があります。
③匂い
 主に腸内細菌の作り出す物質が匂いの元になっています。善玉菌は、発酵したような匂いの物質を出します。あまり臭くありません。悪玉菌は、インドール、スカトール、硫化水素、メルカプタンといった強烈な悪臭物質を出します。これらの物質は、腸の細胞に悪影響も与えます。

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