福島県立大野病院事件第七回公判(3)

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2007年09月02日 00:09

午後1時半、再開。
後から振り返れば悪夢のような検察側反対尋問の開始である。


尋問するのは4月に初登場して以来
ソフトに淡々とポイントを積み重ね続けているS検事。
血気にはやった検事がこれ以上無理をして傷を深めないように
フェードアウトの使命を帯びて送りこまれたエースなんだろう
こう思っていた。
しかし
S検事がやるなら、そんな変なことにならないのではという
傍聴席を包んでいた安心感は
次第にダークグレーに染まっていくのである。


最初は、「やはりシャープだな」という印象だった。
検察官 帝王切開手術の前に、癒着胎盤の疑いを持っていましたか。 
加藤医師 持っていませんでした。
検察官 手術中に用手剥離からクーパー併用になった時には癒着胎盤の疑いを持ちましたか。 
加藤医師 疑いは少し持ちました。
検察官 少しというのは、どういうことですか。 
加藤医師 少しです。
検察官 理由は何ですか。 
加藤医師 切り替わるにあたって、少し剥離しにくい部分が出てきたからです。
検察官 しにくい部分とは具体的にはどういう部分ですか。
加藤医師 剥離のスピードが遅くなるということと、しにくいのはしにくいので何と説明すればいいのか、力を入れれば剥離できるけれど力を入れる程のものでもないような。
検察官 しにくいとは、他の患者さんの用手剥離より、ということですか。
加藤医師 そうです。
検察官 その後、子宮からの出血が多くなってきた、その理由を当時はどう考えていましたか。 
加藤医師 剥離を終わった後ということでしょうか。弛緩出血、収縮が少し悪いかなというのも頭にありましたし、胎盤を剥離すると実際にどうしても普通に出血するので、ただ突然出血は増えたことに関してはハッキリとは分かりません。
検察官 原因が分かっていなかったのですか。
加藤医師 ・・・
検察官 手術が終わるまでずっとですか。 
加藤医師 子宮の収縮が悪いこと、癒着胎盤、その他にVTが起こるような何かがあったのだろうと考えていました。
検察官 出血の原因として癒着胎盤も考えたのですね。
加藤医師 原因として起こりうることを色々考えなきゃいけないので、そのうちの一つとして考えに入れていたということです。 
検察官 死因は何時ごろに判断しましたか。
加藤医師 H先生と手術後に話をした中で、考えられる中で、そういう原因だろうという話をしました。それは手術室から出て病棟に行くまでの間でした。
検察官 死亡診断書・死体検案書に死因を書いたのはいつですか。
加藤医師 亡くなって、サインする前です。
検察官 それは何時のことですか。
加藤医師 覚えていません。
検察官 出来事の中では何をした後のことですか。 
加藤医師 ご遺族への説明をした後です。
検察官 その時は何と判断しましたか。
加藤医師 癒着胎盤による出血性ショックです。
検察官 そうですか。(死亡診断書を示す)直接の死因は何ですか。
加藤医師 心室細動です。
検察官 心室細動の原因は何ですか。
加藤医師 出血性ショックです。
検察官 その原因は何ですか。
加藤医師 癒着胎盤です。
検察官 癒着胎盤による出血性ショックで心室細動を起こしたのが死因と判断したわけですね。
加藤医師 完全にではありませんが、他の死因も考えつつ、H先生とも相談して、こうだろうと考えました。
検察官 癒着胎盤をメインの死因と判断したわけですね。
加藤医師 メインではありません。
検察官 死後の病理解剖で癒着が見つかったのは認めますね。
加藤医師 はい。
検察官 術中にも癒着の疑いを持ったと先ほど証言しましたね。
加藤医師 はい。
検察官 前回帝王切開で全前置胎盤の症例ですね。
加藤医師 はい。
検察官 この場合、癒着胎盤が起こりやすいというのは当時の知識として持っていましたか。
加藤医師 はい、持っていました。
検察官 そのメカニズムについてはどのような知識を持っていましたか。
加藤医師 前回創に胎盤が乗っているような場合は癒着が起きやすいです。
検察官 前回創に胎盤が乗っているかどうかが大事ということですね。
加藤医師 いえ、前壁にあるか後壁にあるかで違います。前壁にあって乗っている場合は癒着が起きやすいです。
検察官 なぜ起きやすいのですか。
加藤医師 帝王切開の傷痕は一回切った場所なので筋層へ絨毛が浸潤しやすくなります。
検察官 前壁と後壁とで違うと言いましたが、後壁でも癒着の可能性は高いのではないですか。
加藤医師 いや、そういうわけではないと思います。
検察官 なぜ、そう言えますか。
加藤医師 外国の論文でそういうのがありました。
検察官 当時その知識があったわけですね。
加藤医師 はい。
検察官 胎盤が後壁にあれば心配しなくてもよいというが、後壁メインであっても全前置胎盤なら前へも回ってるわけですね。ならば癒着の心配をしなくてはならないのでないですか。
加藤医師 ある程度はそうしなくちゃいけないのでしょうか。
(中略)


検察官 今回、前壁に回っている胎盤が前回切開創にかかっているとの疑いは持っていなかったのですか。
加藤医師 持っていません。
検察官 しかし検査はしていますよね。その段階では、いかがですか。
加藤医師 ほとんどないという診断の下での疑いです。
検察官 具体的に疑ったことはありませんか。
加藤医師 具体的にはありません。
検察官 カルテに記載しませんでしたか。
加藤医師 記載しましたが、具体的な疑いではありません。
(甲15号証のカルテを示す。「癒着胎盤か前置胎盤出血 注意」という記述を確認する)


検察官 膀胱炎と診断していますね。
加藤医師 はい。
検察官 (メモ不完全)
加藤医師 頭の中に片隅というわけではなく、おしっこの中に少量でも血液成分があったので一般的な注意が必要と考えたのです。あくまでも膀胱炎と診断したうえです。
(中略)
検察官 尿潜血だと何を疑いますか。
加藤医師 膀胱の裏側の部分に癒着胎盤がある時に潜血があることがあります。
検察官 では癒着胎盤を疑ってもよかったのではありませんか。
加藤医師 潜血は1回限りだったのと、他にも膀胱炎の症状が出ているところだったので、潜血が続くようなら考えなきゃという感じでした。
検察官 癒着胎盤で尿潜血があるのは、胎盤が前壁を突き破っているのを疑うということになりますか。 
加藤医師 前提としてはそういうことになります。


(中略)
検察官 癒着胎盤注意で他の検査は何かしましたか。
加藤医師 超音波検査をしました。
検察官 疑いがないと記載しましたか。
加藤医師 3日の時点ではないと思っていましたが、膀胱炎という診断はもうついているので、注意と記載はしましたが、そんなに深い意味はないです。
検察官 Aさん以外に子宮に直接超音波検査をしたことはありましたか。
加藤医師 ないです。
検察官 癒着胎盤のエコー検査をしたことはありましたか。 
加藤医師 ないです。
検察官 どのように診断するか知っていましたか。 
加藤医師 はい。
検察官 どのように診断するのですか。
加藤医師 色々な方法はありますが、血流が豊富であったり子宮筋層に黒い部分があったり絨毛が見えたりしたら疑います。
検察官 誰に教えてもらいましたか。
加藤医師 本を見て学びました。
検察官 本とは何ですか。書名を挙げられますか。
加藤医師 以前からその知識はありましたが、どこで読んだとはちょっと今挙げられません。
(中略)
検察官 あなた以外の他の医師に相談しましたか。
加藤医師 今回はそのような所見がなかったので相談してません。
検察官 前壁側に胎盤が回ってきている場合、癒着を疑う必要があったとは感じませんか。
加藤医師 感じません。
検察官 前置胎盤のときの血流と癒着胎盤と血流で判断はつくのですか。
加藤医師 血流の豊富さが違います。


検察官 12月6日の経腹エコー検査の目的は何ですか。
加藤医師 単に赤ちゃんの大きさを見るためにやったのですが、+αで何か所見はないかとプローベを動かしていたら、たまたま膀胱の所に血流があったので記載しました。
(中略)
検察官 カルテに一部前置胎盤と記載したことはありませんか。
加藤医師 何かの時に誤って記載したことは覚えています。
検察官 なぜ誤ったのですか。
加藤医師 実際は一部(メモ不完全)
検察官 胎盤が内子宮口を完全に覆っていても、胎盤が前後ろ均等でなく後壁メインの場合は一部に含まれると思っていたのではありませんか。 
加藤医師 含まれるというわけではなく勘違いです。
検察官 事故調査委員会で指摘されて間違いに気づいたのではありませんでしたか。 
加藤医師 頭の中では理解していたのですが、調査委員会で言われたことは覚えています。


この辺りから
「そんなの、ヤクザが因縁つけてるのと変わらないだろう」という
質問が多くなってきて、聞いているこちらがウンザリしてくる。


検察官 エコー検査の結果をプリントアウトしてカルテに貼りましたね。 
加藤医師 はい。
検察官 Aさんに説明も加えましたね。
加藤医師 はい。加えました。
検察官 カルテに記載しましたか。
加藤医師 いや、しませんでした。
検察官 なぜ記載しなかったのですか。
加藤医師 通常は記載しないと思います。
検察官 あなた以外の人がカルテを事後的に見て癒着胎盤でないと判断できますか。
加藤医師 分からないと思います。
検察官 分かるように書く必要はないのですか。 
加藤医師 所見があればプリントアウトして残します。所見がなければ記載する必要はないと思います。
検察官 (メモ不完全)
加藤医師 後からそういう風に言われると困るのですが、所見も全くなくて疑うことがなければ書きようがありません。
検察官 一般的には他の人が見ても分かるようにカルテを書くべきではありませんか。 
加藤医師 一般的には他の人が見ても分かるようにするべきだとは思います。
検察官 他の人の中には患者さんも含まれるのではありませんか。 
加藤医師 最近の世の中の流れ的にカルテ開示というのもありますので、患者さんが見ても分かるよう書くように心がけるべきなんでしょうが、正直そこまでは気にして記載していません。
検察官 疑うような所見はないとのことでしたが、他に検査方法はありませんか。
加藤医師 保険診療上は認められていませんが、MRIがあります。
検察官 なぜMRI検査をしなかったのですか。 
加藤医師 超音波でしっかり診断できていましたし、MRIの癒着胎盤に対する信用性は高くありません。
検察官 信用性が高くないと当時認識していたのですか。
加藤医師 そうです。
検察官 効果があるとの意見もありますが、信用性が高くないとは具体的にどういうことですか。 
加藤医師 MRIで癒着はないと診断したのに実際には癒着があったり、逆だったり、大学でMRIを撮ったケースではほとんど外れでした。
検察官 MRIで癒着が疑われて、実際に癒着があったケースはありませんでしたか。
加藤医師 症例としてはありました。
検察官 そういうことがあるなら、念のためにやろうとは思いませんでしたか。 
加藤医師 当時の認識としては、帝王切開創に胎盤がかかっているなら、診断するためにMRIやろうという意識でした。
検察官 MRIをやれば後壁の癒着も診断できましたか。
加藤医師 文献的には筋腫を取った後で診断できたというものがありますが、通常の妊娠について言えば信用性としてはあまりないと思います。
検察官 判断できるけれど信用性が低いということですか。
加藤医師 判断というか通常はやらないということです。
検察官 MRIをやれば、前壁でも後壁でも癒着を診断できたかもしれないとは思いませんか。
加藤医師 思っていません。癒着があると思っていればやったかもしれませんが。
検察官 前壁に癒着があったとは考えていませんか。 
加藤医師 考えてないです。
検察官 MRIの信頼性が高くないということですが、ではエコーで癒着胎盤は確実に診断できるのですか。
加藤医師 いや、確実ではありません。ただ経膣超音波が最も適していて、MRIよりは精度が高いです。
検察官 Aさんに、MRI検査があることを伝えたうえで、やらないと選択したのですか。
加藤医師 伝えていません。


検察官 手術前は前回帝王切開創に胎盤はかかっていないという認識だったのですね。
加藤医師 かかっていないという認識でした。
検察官 かかっているかもしれない、ではない。
加藤医師 はい。
検察官 それなのに術前に直接エコー検査をしたのですか。 
加藤医師 かかっているとは思っていないが、でも医学的に絶対はないので、確認しました。
検察官 どういう経緯から創にかかっていないと考えたのですか。
加藤医師 エコー検査です。
検察官 具体的にいつのエコーですか。
加藤医師 外来中から妊娠初期から割合ハッキリと前回帝王切開創が見えていましたので、かかっていないのは確認していました。
(中略)
検察官 通常の帝王切開はどこを切開しますか。 
加藤医師 子宮下部を横向きに切開します。
検察官 他に操作はありませんか。
加藤医師 膀胱を下へ動かします。
検察官 膀胱を下へ動かすと言いますと、どういうことですか。
加藤医師 念のため膀胱と子宮とを剥離して下へ下げてからやるようにしています。
(中略)
検察官 二回目の帝王切開の際、通常切開する位置はどこですか。 
加藤医師 基本的に前回の帝王切開創より気持ち高い位置を切ります。
検察官 そこが基本なのはなぜですか。
加藤医師 ズラして切るためです。
検察官 離すのでなく近くにする意味は何ですか。
加藤医師 標準的に子宮下部を切ることになっています。
検察官 切開する時に下部と体部の違いはありますか。
加藤医師 あります。
検察官 どうして下部が標準的なのですか。
加藤医師 体部をタテに切るのは古典的な手法で、出血量が多くなってしまうし、産後の経過もよくありません。またタテに切った場合、次の妊娠の時に必ず帝王切開になります。
検察官 タテに切った後で経膣分娩しようとすると子宮が破裂しますか。
加藤医師 症例的にはあります。
検察官 検査の時、どのように切開するか考えていましたか。
加藤医師 はい。
検察官 どのように切開しようと考えていましたか。
加藤医師 通常通り下部をU字に切開しようと考えていました。
検察官 どの辺りを切開しようかと思っていましたか。
加藤医師 ある程度は考えていました。
検察官 どの段階で考えていましたか。
加藤医師 入院中です。
(子宮の図を書かせ、内子宮口と頸部、体部の範囲と、前回帝王切開創があると思われた範囲、今回切開しようと思っていた範囲を図示させる)


(中略)
検察官 12月13日のカルテに記載されているエコー検査写真の隣の図ですが、これはどういう趣旨で書いたものですか。 
加藤医師 子宮がローテーションしていて右へ傾いていて胎盤は左にずれていたので、切開位置をこのように決めようかと書きました。
検察官 胎盤の位置が左にずれていたのですか。
加藤医師 主に後壁にあると考えていて、ずっと安静に横になっていたものですから、子宮が左へ回旋していて、胎盤も一緒にずれていました。
検察官 どこを切開しようと考えていたのですか。
加藤医師 高さはふつうの位置で考えていました。
検察官 胎盤のある位置を切開しないようにと考えたのですか。 
加藤医師 はい。
検察官 その理由は何ですか。
加藤医師 胎盤を切れば出血が多くなるからです。
検察官 カルテの記載では図に線を引いていますが、これは何ですか。 
加藤医師 胎盤は絵では左寄りに見えているので(メモ漏れ)
検察官 子宮後壁の左側に胎盤が寄っているということですか。
加藤医師 そうではなくて、図では左側にあるということです。
検察官 「こう切開するか」と記載されているのは、胎盤にかからない位置を切開するという趣旨ですか。
加藤医師 そういう意味ではありません。
検察官 12月14日にAさん夫妻に手術について説明しましたね。
加藤医師 はい。
検察官 どういう場所を切開する予定という説明をしましたか。
加藤医師 いや、記憶にないです。
検察官 12月14日付の医師記録、このページに記載ありませんか。
加藤医師 多分これです。
検察官 この図は一般的な子宮であってAさんの子宮ではないとのことでしたか。
加藤医師 はい、一般的な子宮です。
検察官 この線は何ですか。 
加藤医師 切開する場所です。
検察官 なぜこの右寄りの位置に書いてあるのですか。
加藤医師 ローテーションしていたのに合わせて書いただけで、説明の時には別に右寄りとは言っていません。
検察官 「胎盤の付着していない場所」と言った覚えはありませんか。 
加藤医師 覚えていません。
検察官 そういう話はなかったということですか、ハッキリとは覚えていないということですか。
加藤医師 ムンテラで一般的な話として胎盤を切ると出血が大量にあるので避けるというような話はしたかもしれません。
検察官 12月14日付の看護処置記録には証人が「胎盤の付着していない場所を切開する」と説明したと書いてありますが。 
加藤医師 記載していたということは言ったのでしょう。ただ、意味としては典型例とは違っているということです。
検察官 では、この図は何のために書いた図ですか。 
加藤医師 流れ的にこうなっている。普通の胎盤ならこう、前置胎盤ならこう、ということでAさんの子宮ではありません。
検察官 「く」の字を逆にしたようなマークは何ですか。 
加藤医師 切開して赤ちゃんを取り出す位置です。
検察官 前回帝王切開創ではありませんか。
加藤医師 それはありませんね。
検察官 何のためにここを切るという説明をしたのですか。 
加藤医師 ・・・
検察官 子宮を切る時に胎盤を切る可能性があるからではありませんか。
加藤医師 いや、それはないです。


検察官 開腹後に超音波検査をしましたね。
加藤医師 はい。
検察官 術中に超音波検査をすることは12月6日に決めたのですか。
加藤医師 はい。
(12月6日のカルテを示す)
検察官 何のために超音波を使おうと思ったのですか。 
加藤医師 胎盤の位置を最終確認するという意味で使いました。
検察官 どうして位置を確認する必要があったのですか。
加藤医師 経腹超音波で見るには限界があるからです。
検察官 胎盤は前回帝王切開創にはかかっていないと思っていたのですか。
加藤医師 はい。
検察官 何を根拠にそう考えていたのですか。
加藤医師 今までの超音波検査です。
検察官 ならば、なぜ開腹後に超音波検査をやる必要があったのですか。
加藤医師 これは本にも書いてありますが、後壁に付着しているものでも前壁は要注意と、辺縁がハッキリしないことがあり、なだらかにくっついている場合など色々あるので、その辺縁部を確認したいというのもありました。
検察官 ならば切開位置に胎盤かかっていると否定できないのでは。
加藤医師 切開する場所ではなく胎盤の位置を確認しろとしか書いてありません。
検察官 開腹後の超音波検査で後壁の胎盤は分かりますか。
加藤医師 いや後壁は分からないです。
検察官 見えるのは前壁だけですね。
加藤医師 はい。
検察官 ならば前壁に胎盤があるから検査したということになりませんか。
加藤医師 念のためということです。
検察官 前回帝王切開創にかかっているかもしれないと考えてはいましたか。
加藤医師 ほとんど考えていないうちの念のためということで、やらなくてもいいかなと思ったのですが念を入れたということです。
検察官 開腹後の超音波検査はよくやるのですか。
加藤医師 いや今回が初めてです。
検察官 それなりの理由があったのではありませんか。
加藤医師 胎盤の辺縁がどこまで来ているか確認したかったということです。
検察官 念のため確率は低くとも胎盤が見つかったら、前回帝王切開創にかかるのではありませんか。
加藤医師 もちろんです。


皆さんウンザリしてきたかもしれないが
書き起こしているこちらは、もっとウンザリしているのだから
ご勘弁いただきたい。


検察官としては「予見可能性」を立証したいということは分かるが
いつになったら手術中の話になるのだろうと
必死でメモしながら心配になっていた。
結果的に見れば、手術前の話はこの後も延々と続き
そして手術中の話も延々と続いた。
この辺でいったん稿を改めたい。
(つづく!!)

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コメント

いつも拝見させていただいております。とても勉強になります。
さて拝見していて,いつも感じるのは,医療以上に閉鎖的な司法の業務です。マスコミの無記名の記事と同じように責任がうやむやになっているせいではないでしょうか。
そこで,本記事においても加藤医師と検察官,弁護士,裁判官のやりとりとなっておりますが,検察官や裁判官の氏名も公表した方が良いのではないでしょうか?

h.nakamura様
コメントありがとうございます。
お申し出まことにごもっともですが
メモと話す人
(特にイレギュラーに発言する人)とを対応させるのが
意外と難しいので
(必死にメモを取っていると、ノートから顔を上げられないため)
改善課題とさせてください。

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