福島県立大野病院事件第九回公判(速報3)

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2007年10月27日 02:15

サスペンデッドになっていた
加藤医師に対する被告人質問の続きも行われたそうです。
引き続きM医師の報告です。

弁護: 今日は再主質問です。先生が逮捕拘留された間、複数の弁護士が接見しましたよね。弁護人の医学的知識は十分でしたか
加藤: 十分とは言えませんでした。今は違いますが。
弁護: 弁護人に意見を伝えるとき、医学のイロハから説明しないといけませんでしたか
加藤: はい
弁護: 時間がかかった
加藤: はい
弁護: 弁護人は、本件のカルテを見ていましたか
加藤: 見ていませんでした
弁護: カルテ内容から一から説明でしたか
加藤: はい
弁護: それぞれの弁護人に同じ説明を繰り返さないといけなかったですか
加藤: 全部ではありませんが、重要なところは繰り返し、説明をしたつもりです。
弁護: 弁護人に十分に伝える時間はありましたか
加藤: 十分ではありませんでした
弁護: 先生が取調官に話した話をしましたか
加藤: 少しだけしました
弁護: 取り調べ書に説明してもわかってもらえなかったことについて、説明しましたか
加藤: いいえ、手術の内容とか話していたので時間が足りず、取り調べの時におかしいと思っても、いずれわかってもらえると思い、話していませんでした。こんなに重大なことになるとは思っていなかったので
弁護: 乙3号証の末に訂正がされていると指摘しましたが、取り調べの前に訂正を申し立てたことはありましたか
加藤: 用語の誤りに、訂正を求めたことはありました
弁護: 34通調書がありましたが、訂正を申し立てたのは乙3号証だけですか
加藤: そうです
弁護: 乙3号証以外に訂正してほしい箇所はありますか
加藤: あります
弁護: 他には
加藤: クーパーを使い始めたいきさつについて訂正していただきたかったです
弁護: 指を入れる本数が3,2,1と少なくなったところですね。実際そういう状況でしたか
加藤: いいえ
弁護: 指を手刀のように使う
加藤: はい
弁護: 指を患者さんの足側に向かってつっこんでいく形になるのですか。手刀のように、小指の側面、指先が刃先と考えるとなでるような形で胎盤と子宮の間にさしこむ、
加藤: さしこむという感じではないです。
弁護: 子宮と胎盤の接点を小指の側面と先でなでる、すべらせる
加藤: そうです。ただどうしても剥離するときに、後前置胎盤だったので、
右端、左端は指が全体的には入らなかったので、2本の指で手刀のようにはがしたことはありました
弁護: 指が3,2,1本と入りづらくなったというのは、先生がもともとそう供述して調書がとられたのですか
加藤: 違います
弁護: どういう経緯でしたか
加藤: 前に話しましたが、何度もクーパーを使った事に関して、剥がせなかったからだろうと言われ、何度も違うと答えたが、全然納得していただけなくて、「例えば、3本、2本、入らなくなって、1本もダメでクーパーをつかったとでも言え、と言うんですか」と言ったら、具体的で良いということでメモにとられてしまいました。検察官とも同じような話で、警察官と検察官とで話しもしていたので、もう取り消すこともできないのかと引き下がってしまいました。

弁護: 先生が自分からそう話したので、訂正しずらかったと伺っていいですか
加藤: はい

検察: 弁護人が面会にきて、本件の説明をしていきましたよね。何日も来た先生もいるでしょう。
加藤: 何回か
検察: その先生には事情の説明は済んでいるんじゃないの
加藤: ・・・
検察: 別に事件の話とか医学的な話ばかりしてたわけじゃないですよね
加藤: いえ、医学的な話をしていました
検察: あなたは逮捕初めてですよねー。刑事手続きとか、弁護士と相談したんじゃないんですか
加藤: 真実を話しなさいと言われましたが
検察: あったことはあったこと、事実を話してくださいと
加藤: はい
検察: 言いたくないことは、調書に判を押さなくても良いとか、そういう助言はなかったんですか
加藤: 1回くらいされました
検察: 毎回はなかったですか
加藤: なかったです
検察: 今の話、午前中の取り調べで、警察官にメモをとられたと。でもまだ調書とられてないですよね
加藤: はい
検察: 撤回するとは考えなかったのですか
加藤: 検察と警察はツーカーというか、話がいっていると思いこんでいたので、取り消すことを思いつかなかったです
検察: メモをとられたの、ショックだった
加藤: はい
検察: 今後どうしようかと
加藤: どうしようか、とは
検察: 今後どう取り調べを受けるか、心配はなかったかということです
加藤: 心配でした
検察: 記録によるとですね、10時51分から57分富岡署で取り調べがありましたが、メモは午前中の取り調べということですよね。記録によると、午後5時50分からいわき支部で検事の取り調べを受けています。刑事と検事の間に5時間もありますが、富岡署からいわき支部への移動に1時間あったとしても、他に何をしていたのですか。記憶はありますか
加藤: ありません
検察: 記録によると、M弁護士と接見していますが、5時間もあいていて、移動1時間かかって、接見した記憶はありますか
加藤: その日のことか覚えていません
検察: 弁護人に相談しましたか
加藤: していません
検察: 何故ですか
加藤: こういうものなのか、とあきらめがあった
検察: 弁護人を信用できなかったってことじゃないでしょ
加藤: そうではないです
検察: 不本意な調書ということだが、頭がぼーっとして何が真実かわからない、長時間の取り調べ、奥さんや患者さんが心配、訂正を申し入れると不機嫌になって、きいてくれない、こういうことで不本意だと言うのですね
加藤: はい
検察: 平成17年4月20日、富岡署で取り調べを受けましたね
加藤: はい
検察: 調書作成は覚えていますか
加藤: はい
検察: 手術前エコー検査について、どういう話か覚えていますか
加藤: 覚えていません
検察: 癒着胎盤について、考えたが、MRIを実施しなかった、後壁付着の癒着胎盤であった、癒着部位が子宮前壁にかかっていたので、U字型に切った。用手剥離中は剥離困難になった。介助のM医師もそうですね、と言いました、と話してたんじゃないですか
加藤: 書いてあるなら、話したのかもしれないが、記憶にないです。
検察: それは逮捕前の話ですよね。どうしてそういう調書ができあがったのですか
加藤: 手術後から、なぜ後壁に癒着胎盤があったんだとかなり不思議な感覚があり、病理結果や事故調査委員会や色々出ているときに、自分は責任をとらなくちゃならないという気持ちと、一時、悪い方に気持ちが傾いて、話す内容も真実でない部分もかなりあった
検察: 結果的には自分から話したのか
加藤: 自分からです。


弁護: 2点あります。1点は、客観的事実として聞きたいが、小指を横にすべらすとおっしゃいました。それは、3本、2本、1本という行為と矛盾しますね。どう言ったかでなく、客観的にどうだったか事実を知りたい。用手剥離は胎盤と子宮の間に手を入れて、下に向かって力を込めるのか、横に向かってスライドか、横か縦かどっちですか
加藤: 横です
弁護: 3,2,1と言ったとき、横のイメージか、縦のイメージか、どちらですか
加藤: ・・・
弁護: 何のたとえで、3,2,1でしたか
加藤: 警察の方が、癒着で剥がれなくなったので、クーパーを使ったのだろうと。
弁護: クーパーが細かったからだろう、と、指を差し込む感じで、3,2,1と差し込むイメージですね。それでそう言ったんですか
加藤: はい
弁護: でも実際は、差し込むのではない、すべらせるんですね
加藤: はい
弁護: 客観的事実と違いますね
加藤: はい

弁護: 富岡署での取り調べについてですが、、後壁付着があったのを知ったのは、病理組織所見からですか、手術中に気づいたのですか
加藤: 術後わかりました。手術の最初からわかっていませんでした
弁護: 警察署で過失あると言われましたか
加藤: 言われたと思います
弁護: 過失を認めたら、と誰かに言われたのですか
加藤: 認めるという具体的なことではなかったですが、ご家族、ご遺族の補償のために、受け入れてくれという話はありました
弁護: 誰からですか
加藤: 当時の大野病院の事務長からです
弁護: 認めてくれと言われたんですね
加藤: はい
弁護: 先生は県から処分を受けましたね
加藤: はい
弁護: 日付は
加藤: 覚えていません
弁護: 報告書が出た直後ではなかったですか
加藤: 後だったと思います
弁護: 取り調べの前ではなかったですか
加藤: 覚えてないです
弁護: 責任も取れと、周りから言われ、患者さんを失った自責の念で一杯だったんではないですか。終わります。
弁護: 検察官が引用された富岡署の調書は何月何日のものですか
検察: 4月20日、今証拠請求中のものです
裁判長: 逮捕の前でしょ。 では終わります。では事実間整理を30分から始めます。次は11月30日、午前10時ですね。
(閉廷16:20)

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コメント

「お前がこんな自白をするから悪いんじゃ」とでも検察は言いたいのかね。

>では事実間整理を30分から始めます。

閉廷宣言後のこれは期日間整理の誤記でしょうね。これがまだ行われているということは検察がいまだに論点を決めていないということを意味しており、結局検察が起訴権限を濫用して刑事裁判制度そのものを異常に浪費しているということになるのではないでしょうか。

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