ビジョン新検討会7(3)

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2008年08月29日 06:26

大熊委員の発言の後から。


高久
「次は岡井委員」


岡井
「そろそろ医療安全の議論が必要かなということで資料を出したのだけれど、今後も検討会が続くということだから、今日議論いただかなくても結構だ。資料としてご覧いただきたい」


高久
「嘉山委員」


嘉山
「大臣から、どのくらい大学で養成できるのかというご質問があったので、それをアンケートの形で各大学から集計してみた。新木さんも、もちろんご存じだろう。とりあえず来年の分だ。それ以降はまた別途やらないといけない」


土屋
「米国医科大学協会が2006年6月に出した勧告をつけた。2015年までに2002年と比べて30%の入学定員を増やせと言っている。日本が定員を増やしたとしてもアメリカはさらにその先を行っているということだけ示しておきたい」


高久
「私の資料は、以前に出すと言っていた日本女医会の調査。ご覧いただければ。では、私から中間とりまとめ案について説明する」
これも資料の方を見てほしい。私が傍聴していなかった5回目、6回目に新たに出てきたんだろうと推察される部分だけ挙げておく。

・医師需要を検証する観点から厚生労働省において必要な医師数について推計し直すべきである。その際、少子高齢化の進展や国民の医療に対するニーズや意識が変化していることを踏まえ、あるべき医療の姿もイメージしつつ、高齢化の状況、患者の診療動向、女性医師の増加や働き方に関する意識の変化、医師の勤務実態、世代間の状況、医療提供体制のあり方など様々なパラメータをできるだけ考慮した専門的な推計を行うべきである。
・より質の高い医師を効果的に養成する観点から、医師の卒前・卒後教育の連携をはじめとした臨床研修制度のあり方について、文部科学省と厚生労働省との合同の検討会を早急に立ち上げ、対策の具体化を図るべきである。
・地域全体の病院医師や診療所医師の連携を円滑に進め、診療所医師が病院での診療に携わることを進めるためには、病院における医療に対する診療報酬を、ホスピタルフィーとドクターフィーに区別することを検討する必要がある。また地域全体の病院医師や診療所医師の連携を円滑に進め、患者の入退院・転院を円滑に進めるためには、地域の医療機関における電子カルテの情報共有が必要である。また医療の透明化を図るため患者が無料で明細書(診療内容がわかる領収書)を受け取ることができるようにする必要がある。


岡井
「内容には問題ないのだが、公式の結論として出すなら文言を検討してもらいたいところが何点かある。医師養成数を書き込む前に、現在供給不足であるという現実を書いた方が理解を得やすいだろう。需給バランスが大きく崩れていることを書いた方がいい。それから、『子供を守ろう、お医者さんを守ろう』というキャッチフレーズはわかりやすくていいのだが、他の部分の書き方と揃えて一般化した方がよくないか。前後して申し訳ないけれど、医師数を増やしても、それが大都会に行ってしまったら問題解決には役立たない。増加した分が地方へ行くよう具体的に検討しなければいけないと思うので、その旨、私などは増やした定員分は当該地域の出身者の枠としたらどうだろうかと思うのだが、それは合意を得られないかもしれないので、とにかく検討が必要なんだと書いておくべきでないか。もう一つ『医学部教育・地域医療に支障を来さない範囲』というのが、意味がよく分からない。この言葉はなくてもいいのかなと思うのだが」


嘉山
「私の言わんとしたことは、範囲ではなく、支障を来さないようという意味で、十分な数が必要というニュアンスだった。範囲ではなく程度ではどうか。過去最大より多めにということ」


高久
「このままだと、ちょっと意味が通じない」


嘉山
「大臣にお願いされた720人を放り込むと過去最大を上回るので、それが蹴られないように」


高久
「この言葉は入れなくてもいいんじゃないか」


嘉山
「過去最大をリミットにしてほしくない。各大学がやるよと言っているので」


小川
「今のところ、高久先生に賛成。むしろ国際的な現状を書き込んで、はじめはエビデンスから始めて、そのうえで余計な言葉を入れないようにすべきでないか。定員もあまりジャンピングではないように」


吉村
「医師偏在の話でいうと外科系が減っていて、たしかにインセンティブも大事だとは思うのだけれど、議論されていて反映されていないかなと思うのが訴訟リスクのこと。できれば安心して診療にあたれる環境ということも書き込みたい」
(更新途中)

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