美と健康の決め手は、紫外線量?

投稿者: 堀米香奈子 | 投稿日時: 2009年07月22日 02:07

ここ数日、関東でも梅雨が明けたとは思えないような空模様が続いています。どんよりしたお天気は、まだしばらくは続くとのこと。ただし、この時期も用心しておいて損がないのが、紫外線のようです。

紫外線を大量に浴びるとシミの原因になる、というのは女性なら誰もが気になるところ。また、海水浴などで日焼けによって肌が赤く腫れて痛くなってしまう人、少なくないと思いますが、これはもう“やけど”ですね。


こうしてかなり悪者のイメージがある紫外線ですが、太陽光にちょっと触れても痛くもかゆくもないので、ダメージを受ける過程についてはどうもピンと来ません。何がどういけないのでしょうか。

・・・と調べ始めると、さっそくわかりやすい資料を発見しました。内閣府沖縄総合事務局経済産業部の資料です。

●紫外線が人体に与える影響
(慈恵医科大学皮膚科教室 上田良一)


それによると、紫外線(UV=Ultraviolet)には、その波長の違いから、A波(UVA)、B波(UVB)、C波(UVC)の3種類があるそうです。光線は目に見えない大きさの波を打っていて、その幅が波長です。当然、太陽光には3つの紫外線すべてが含まれるのですが、波長が短いほど人体への害が大きいとのこと。それでいうと、人体への害を単純比較すれば、C波>B波>A波(B波はA波の1000倍の作用)となるそうです。


ただし、C波はほとんどがオゾン層で吸収されるので、オゾン層が破壊されずに機能してくれているうちは心配ないとのこと。ただ、20年以上前から危惧されているように、オゾン層はどんどん破壊されてきています。その一因とされる特定のフロンガスには、国際的に使用制限がかけられていますよね(詳しくは環境省のページへ)。


ということで、当面の問題はA波とB波のようです。さらにいろいろ調べていくと、どうやら一番身近な影響としては、「A波がシワを増やし、B波がシミを増やす」と言える様子。これらは「光老化」と呼ばれています。どうして“光”にそんなことができるでしょう・・・。


まずA波。こちらはもともとはB波よりは人体に与える影響は少ないのですが、B波よりもずっと大量に、オゾン層等で吸収されることなく、地上に降り注いでいます。そして何より、B波よりも皮膚の深いところまで届きます。そのA波を繰り返し浴びると、皮膚の深いところにあって肌の張りや弾力を保つコラーゲンやエラスチンといった成分を分解してしまう酵素が増えるそうなのです。それにより、結果としてシワが増えることになります。


のみならずA波の悪い影響は、活性酸素を発生させること。活性酸素の問題点は強い酸化力です。これがB波の作用を助長することになります。


ということでそのB波。まず皮膚の一番外側の層にB波が到達すると、その下にある色素細胞がメラニンという黒い色素を作り、細胞を守ろうとします。メラニン周りの細胞にたくさん配られるほど、肌が黒くなります。これがいわゆる日焼けですね。さらには、A波のせいでできた活性酸素によって、細胞を酸化から守る酵素が活性化し、その作用で結果的にメラニン色素を大量に作り続けてしまうこともあるそうです。本来は日焼けした肌の細胞は、新陳代謝によって剥がれ落ち、新しい細胞が出てきてもとの肌色に戻るはずです。しかしそれが追いつかないほどに日焼けを繰り返したり、強い影響を受けたりするうちに色素がだんだん肌に沈着し、黒い部分ができる。これが、いわゆるシミというわけです。


ちなみに、冒頭に挙げた“赤く腫れる日焼け”の原因割合についても、A波+B波で10割としたら、7~8割がB波だそうです。先に、A波のほうがB波よりずっと多く地上に注いでいると触れましたが、実はB波の多くも、C波同様オゾン層に吸収されています。オゾン層の破壊が今なお続いているということは、今後ますます地上に届くB波が増えていくということ。もう安易に日焼けできませんね。


そうなると、もっと怖いのが「皮膚がん」です。これはB波がDNAに直接傷をつけることや、A波による活性酸素がDNAやほかの成分を酸化させてしまうことが原因といいます。DNAが損傷を受けるということは遺伝情報がくるってしまうということですから、遺伝子に突然変異が生じる上、それを修復する機能さえも失われる可能性があります。そうして異常な細胞=がん細胞ができてしまうのです。また紫外線には免疫抑制機能もあるため、生じたがん細胞を排除することさえ妨げられかねません。


昔(私が小学生低学年のころもそうでした)は、学校で「太陽の光をちゃんと浴びないとビタミンDが作れずに、“くる病”になりますよ」などと言われたものです。たしかに、ビタミンDには大腸がんを予防するという仮説もあるようです。しかし、ビタミンDを作るための紫外線量(B波)なら、両手に15分、室内にいても窓から差し込んでくる太陽光でも30分当たれば大丈夫という話もあります。だとすると、やっぱりあえて一生懸命、陽にあたる必要はなさそうに思えますね。この時期なら、曇っていても紫外線は届いているそうですから、油断なりません。


というわけで、次は紫外線防止対策について、考えていきたいと思います。

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