第1回不活化ポリオワクチン検討会 傍聴記 その3・続

投稿者: 堀米香奈子 | 投稿日時: 2011年09月06日 14:31

「第1回不活化ポリオワクチンの円滑な導入に関する検討会」(8月31日開催)の傍聴記、今回は、前回の③で収まりきらなかった部分について、少しだけ書き足してみます。

前回書き留めた最後は質疑応答のシーンでしたが、そこではさらに以下のようなやり取りもありました。


齋藤氏(新潟大学医学部小児科教授)
「宮村先生に質問なんですが、先ほどOPVとIPVの比較のところで、OPVは腸管免疫と血中中和抗体の両方が誘導できるということから免疫学的にはOPVのほうが優れているとお話されていましたが、実際に、例えばポリオフリー地域で輸入症例が出たときにIPVを接種していたにもかかわらず感染が起こったですとか、現場における臨床的効果の差というものは何かあるのでしょうか」

宮村氏
「それについては、IPVが徹底しているところでの流行は報告されていません」

岡部座長
「ただ、米国がIPVを徹底化したときにOPVに切り替えようっていうふうに考えたときには、IPVをやっていたグループからポリオ感染者が出てきたという報告はあったと思うんですが」

宮村氏
「1960年頃ですか」

清水氏
「先ほどもざっとご説明しましたが、やはり感染リスクの高い国ではOPVが推奨されています。ですから伝播を抑える効果としてはOPVのほうがあると。一方、リスクの低い国ではIPVのスケジュールも想定できる、というふうに理解しています」


このやり取りを聞いて、やはり現時点でのベストな選択は、3回IPVを接種して、間をおいてOPVを接種するやり方かな、と改めて考えるに至りました。次男はすでに3回IPVを自費で接種していますが、そのうちの2回はロハス・メディカルでたびたびお世話になっている久住先生(ナビタスクリニック)に打ってもらっていました。その際、残る1回(4回目)をOPVにする方法を、久住先生に選択肢の一つとして教えていただいたのです。当初は4回ともIPVで考えていたのですが、そういう手もあるのかと勉強になりました。もちろん、それまでに順調にIPV導入が進んで定期接種が完全に切り替わっていれば話は別です。ただ、把握しきれないOPVからのウイルスの広がりを思うと、現状ではOPVも打っておくほうが安全そうですよね。


と、書いていたところで、偶然にもポリオの会の掲示板で、気になるやりとりを発見しました。8月30日の「来年度のポリオ」という書き込みに対するハンドルネーム「かみ」さんのコメント(2011/09/02 23:15)に、「まず、免疫を持っていない人への2次感染は容易に起こります。 『ほとんど起こらない』のは麻痺発症です。 2次感染が起こって未接種者も免疫を得られるのが生ワクのメリットでもあります。」とあります。なるほど、2次感染をあえてとても前向きにとらえるなら、そうも書けるかもしれません。これを私もあえて前向きに受け取って、すでにIPVを3回接種している次男に関しては特段何もしないでOPVシーズンを過ごさせ、摂取したお子さんからのウイルスが口からお腹に入るのを黙認している、という手もあるのかも知れません(繰り返しますが、すでに不活化ワクチンをうってあるからこそのやりかたです)。


いずれにしてもそのあたり、まだまだ認識あるいは検討されているお母さん方は少ないかと思います。そうした点について早期に方針を示してほしい。それがこの検討会の意義のはずなのですが、果たして目前のOPV接種シーズンに間に合うのか・・・。この疑問については、検討会の一番最後、お開きになろうかというところで言及された構成員の方がいらっしゃいました。別途、後日振り返りたいと思います。


ちなみにここまでの内容ですでに、予定された検討会2時間のうち1時間以上を費やしています。傍聴記②でも触れたことですが、とにかく丁寧で、きちんと順を追った、正しい議事進行でした。でも同時に「ああ、これがいわゆるお役所の『検討会』なんだな」と、なんとなくわかった気がしたのでした。

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