告発文は、井上肇課長に渡っていた~亀田言論弾圧事件 第一回口頭弁論①

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2016年12月01日 00:00

11月30日午前10時15分、東京地裁631号法廷にて、小松秀樹・元亀田総合病院副院長が起こした民事訴訟の第一回口頭弁論が開かれた。
どのような訴訟なのかは、小松氏自身が書いた文章を参照していただきたい。


傍聴したことのある方はご存じと思うが、民事訴訟の場合、第三者からは法廷で何が行われているのかサッパリ分からない。


ただ、裁判長が原告代理人に対して
「では追加反論していただくということで、争点として出せるものはガツンと出してください」
と言ったのだけは分かった。


要するに、今回の弁論までの期間で、訴状に対して被告が答弁書を提出したので、その答弁書に対してどうするかを裁判長が原告側に確認して、反論するのね、だったらダラダラ小出しにしないでガツンとやってね、と訴訟指揮したということのようだ。


というわけで、どんな答弁書だったのか気になる。


弁論終了後、原告代理人の井上清成弁護士に見せてもらったところ、極めて興味深いことが書いてあると分かった。


その1行は、被告のうち井上肇・元厚生労働省結核感染症課課長(現在はWHOに出向中)の、3枚しかない素っ気ない答弁書の中にシレっと書いてあった。


訴状が
「被告井上は,原告が厚生労働省に提出した本件文書を入手し,被告高岡(川口注・もう1人の被告の高岡志帆・千葉県医療整備課長)に対して,本件書面を訴外亀田隆明(川口注・亀田総合病院を経営する医療法人鉄蕉会の理事長)に回付すること,回付する際には本件書面を提出したことを理由として原告を懲戒解雇するよう求めることを指示したうえで,本件書面を厚生労働省外の者である被告高岡に提供し,同人の違法行為に加担した」と主張したのに対して答える部分で
「被告が本件文書を入手したことは認め,その余は否認する」
というものだ。


この1行によって、職員(井上氏)の違法と疑われる行為への公益通報(正確には、それを準備する文書)を受けた厚生労働省の誰かが、当の本人に文書を渡してしまったということが分かるのである。


これはこれで大問題でなかろうかと思う。と同時に、シラを切って厚労省の行為を隠せたはずの井上氏が、これを認めざるを得なかった事情も何かあるのだろうと推察される。
(つづく)

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