病院は東京から破綻する

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2017年03月27日 00:00

『ロハス・メディカル』産みの親でもある上昌広・医療ガバナンス研究所理事長の表題の新刊が先週刊行された。遅ればせながら週末に読んでみた。


日頃から上理事長が情報発信していることをまとめた感じで、ビックリするようなことは多くなかったが、一つ「これは盲点だった」と気づかされたことがあった。


東日本大震災の後、南相馬市立総合病院の看護師数が半分以下に減ったが、その多くは放射能を恐れたからではなく、保育所が閉鎖されて子どもを預ける場所がなくなったからだったという分析だ。


やはり先週、待機児童の裏に隠された、「巨大な保育利権」の深い闇という記事を読み、これは何とかしないといかんのじゃないかと思っていたところだった。


この2つを結び付けて考えると、平時のうちに保育利権をブチ壊しておかないと、イザ災害に襲われた時に病院が機能しなくなっちゃうということになる。今までは、どこか他人事だったけれど「保育園落ちた。日本死ね」の人は実に大事な問題提起をしていたことになる。

<<前の記事:基本領域○○専門医    ほとんどのマスコミがやってます?:次の記事>>