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2006年07月04日

和田秀樹×中川恵一の がんでもボケても

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2006年07月04日 17:05

がん治療と緩和ケアに取り組む中川恵一氏、老人問題にも通じた精神科医の和田秀樹氏、この2人が、日本の医療をひそかに規定している日本人の心に斬りこみます。

●第1回 がんと認知症は似ている

和田 今回対談を持つことになったきっかけは、私の扱う老年医学の多くの病、とくに認知症などの不可逆病と、中川先生のご専門のがんというのは、臨床的観点から考えてかなり似ているのではないかという話が出たことでした。例えば、「告知が難しい」のもそうですし、急激に症状が悪化してしまう人がいる一方、実は進行のかなり緩やかな人もいる点もそう。一般に若いほど進行が早く、お年寄りは進行が遅いといわれていますが、経験から、お年寄りでも進行の遅い人もいれば、そんなに歳をとっていなくても進行が遅い人もいます。

中川 確かにがんも認知症同様、個人差がかなり大きいんですね。しかも、例えば前立腺がんは全体として5年生存率が80%くらい、一方すい臓がんは5%くらいなんですが、それをひとつの言葉で「がん」として括ってしまっている。原因となるピロリ菌を抗生物質で除去したら治る血液がんも、手術や移植を治療手段とするようながんも、みな「がん」です。ですから最近出てきた「がん保険」など、治癒率80%のがんも5%のがんも同じ扱いです。やはり病名というものも、もう一度考え直すといいような気がしますね。

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