9・19中医協傍聴記3

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2007年09月24日 12:14

最後は薬価専門部会である。


15分遅れで始まり、しかし定刻に終わったことと
事務局の資料説明がほとんどすべてで
見るべき質疑が行われなかったのとで質疑は拾わない。


事務局から議論のテーマとして示されたもののメインは
「イノベーションの評価」。
昨年4月から今年6月までに保険収載されたものが
外国平均価格と、どの程度ずれたかというデータが示された。


この時点で既に「え?」である。
イノベーションを正しく評価しているかどうかの尺度が
「薬価が外国平均価格と同程度になっているか」ということなのか?
もし、その尺度が正しいのなら
日本で独自に価格設定する必要がないことになるではないか。


しかし、何しろ初傍聴であるから
とりあえず事務局の論理に従って資料を見ることにする。
原価方式算定の12成分については外国平均価格の97.1%になり
類似薬効比較方式の25成分については92.8%になったそうだ。
(言葉の説明は次号『ロハス・メディカル』をご覧いただきたい)


で、類似薬効比較の場合「イノベーションを正当に評価できてない」
というような議論をしている。
が、ちょっと待て。
イノベーションとは一体何だ?
新規性や有用性のあるものに対して加算する仕組みは既にある。
加算されないようなものだったら
そもそも「イノベーション」などなかったのだから
「正当に評価できていない」のではなく
価格が低いのは「正当に評価した」ことにならないか。


何か議論の進め方が根本的に間違っているような気もする。
皆さーーん、中医協の議論って、こんなことをしていたんですね。
ご存じでしたか?

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