a small, good thing |
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投稿者: 真木魔愛 | 投稿日時: 2008年04月12日 01:26 |
昨日、たっぷり待った外来待ち時間に、『大聖堂』(レイモンド・カーヴァー 村上春樹訳)を読みました。
この本は、30年ぐらい腐れ縁?の友人が、「読め」と強く薦めてくれました。
薦めてくれたのは短編集の中の、『ささやかだけれど、役にたつこと』(英語は標題の“a small, good thing”)をぜひ読んでねっ!と言うことでした。
とても短い物語で、なおかつ非常に重くて悲しいお話なのですが、なぜ題名に、村上春樹氏がこの訳をなさったのかを思い巡らせると、ジンと心に温かいものが残る、珠玉の作品です。
話は飛びますが、
『ジーン・ワルツ』という海堂尊氏の新著の中に、
そもそも病気や怪我はマイナス・スタートで、元の状態に復帰できない可能性もある。治療は、決してプラス行為ではなく、よりよい未来の可能性を目指すために、地獄の淵を駆け抜けるようなもの。
という行があります。
自分勝手な解釈ですが、よりよい未来の可能性を目指す行いは、とても小さなささやかなもので、それは地獄の淵を駆け抜けるような行為の連続かもしれないけれど、
焼き立ての小さなパンの温かさのように、生きるために必要なこと、そうと意識せずとも誰かの役にたつことなのだと、、妙にシンクロナイズしてしまいました。
もっとも『ささやかだけど、・・・』の中で、役にたつことは、残念がなら医療行為や、医師の言葉に見出されるものでは全くなかったのですが、、、、