「E・Fファイル統合」の裏に見えるもの ─ 中医協・DPC評価分科会 コメント欄

投稿者: 新井裕充 | 投稿日時: 2009年07月27日 03:48

 DPC(入院費の定額払い方式)を導入している病院に提出が義務付けられているEファイル(診療明細情報)とFファイル(行為明細情報)に重複した項目があることから、厚生労働省はこれらを統合した「一体化ファイル」の提出に切り替える方針を中医協の分科会に提案し、了承された。しかし、これを「医療機関にとって良い話」と受け取るのはやや早計かもしれない。(新井裕充)

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コメント

診療報酬系のおバカかげん

診療報酬がなぜ増加するのか、そろそろ気づいてほしいと思うのですが、なぜ気づかないのだろう。

医療費亡国論のもととなった論文はおそらくMayoから出たもので、GDPが上昇し、社会の発展に伴いより質の高い医療を国民が求める、そうなると医療費はGDPの伸びを上回る、というものです。医療の尺度を平均寿命に求めれば安い医療で済みますが、尺度を安全に求めると費用は大きく膨らみます。さらに満足度に求めると医療費は数倍に膨れ上がります。病棟に看護師が増え、薬剤師が配置され、リハビリテーションスタッフが増強されると、当然のように医療費は増加します。さらに高額な医薬品や医療材料、検査機器を求めればもっと医療費は増加します。DPCを導入したのに医療費が増えているというのは、全ての医療機関が適正に請求していても起こることです。

アップコーディングをどうやって見つけるかは、EFファイルを1本化するかどうかとは全く関係ない話です。不正請求といわれると困るので、既に院内で誤ってアップコーディングとなっている症例を見つけるロジックを使用しています。それを厚生労働省や松田班ができないのなら、もう少し勉強すれば済むことでしょう。ファイルを一本化してもアップコーディングがなくなせるわけではありませんし、一本化しなければできない分析手法があるわけでもありません。もちろん一本化して医療機関の事務作業が減るはずは全くありません。一本化で楽になるのは提出されたファイルをハンドリングする基金とよばれる保険診療報酬査定をやっているところと、再査定を行っている保険者だけです。「うそ」をつかずに、だれが一本化してほしいのかを正直にいえば良いのに。

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