夜、寝ている間の冷房はOK?―熱帯夜は人災です。

投稿者: | 投稿日時: 2009年07月06日 20:45

昨日は夏バテについて書いてみましたが、その中で、冷房との付き合い方を改めて考えることになりました。とくに私が気になったのは、夜、寝ている間の冷房です。

私が小さい頃は、そんなことをしたら風邪を引くからいけない、といわれていました。しかし最近では必ずしもそうではなくて、暑すぎて寝られないとか、かえって体調をくずすこともあるから、うまく使うことも必要、などという話も聞くようになりました。


実際、どのようにすれば最も快適に眠れるのでしょうか・・・。

ところで本題に入る前に、熱帯夜について確認しておきます。参考にしたのは、

●東京都環境局 東京都のヒートアイランド対策

というホームページ。それによると、熱帯夜とは、夜間の最低気温が25℃以上のこと。熱帯夜の日数は昔より増加していて、年間でいうと30日前後。温暖化の影響もいわれますが、東京都などの都市部では、そんの大きな原因となっているのが、サイトのタイトルにもつけられている「ヒートアイランド現象」です。


ヒートアイランド現象とは、アスファルト舗装、ビルの輻射熱、ビルの冷房の排気熱、車の排気熱などによって、都市部の気温が夏になると周辺地域よりも数度高くなるもの。等温線を描いたときに、都市部がまるで島のようにぽっかり浮かび上がることから、そう呼ばれています。


ちなみに私は以前、ヒートアイランド減少の原因として、超高層ビルが海風の出入りを妨げている事実を指摘した研究結果を見たことがあります。海風の話は、義務教育でも習ったかと思いますが、海は比熱が小さく(温まりにくい)、陸は比熱が大きい(温まりやすい)ために起こります。陸の上にある空気は日中、早く温まり、軽くなって上昇していくため、そこに海からの温度の低い空気が流れ込むのです。しかし、そこにビルが壁のように立ちはだかっていると、起きるべき空気の移動が妨げられます。本来、海から入ってくる風で冷やされるべき空気が、冷やされないのです。そのときに見た研究結果はかなり顕著で、ショックを受けました。近年では汐留に形成されたビル群他が、とくに海にも近いことから、東京都心の暑さに拍車をかけていることも報じられました。


さて、問題の熱帯夜の過ごし方ですが、こんな記事を見つけました。

●熱帯夜快眠のコツは 冷房・起床前に「入」設定 布団・パッドで温度調節 入浴・ぬるま湯に入ろう(西日本新聞)


要点をまとめると、

●眠るときにはクーラーを切るか、切タイマーを使う。朝方暑くて起きてしまう時は、入タイマーを使う。
●暑さが夜非常に厳しい時は、冷房は28℃~に設定。風邪の弱いモードに。
●エアコンの除湿は温度が下がりすぎることがあるので避ける。
●冷房・扇風機ともに風を直接、体にあてないようにする。
●敷布団や敷パッドを保冷タイプにしてみる。竹シーツや茣蓙もよい。
●水枕などで足元を冷やすなどの工夫も。
●寝る前に、38℃ぐらいのぬるいお湯にゆっくりつかる。

といったところです。


冷房も使い方次第、だけど工夫や注意が必要なんですね。そして最近では、快適に寝るための寝具が出てきているとのこと。そういったものを活用することで、寝苦しくなく、でも寝冷えすることもなく、しっかり睡眠をとって、夏バテを回避することができそうです。


しかし、それにしても先に見たように、ヒートアイランド現象、それによる熱帯夜の増加、こういったことは人災なんですよね。しかもそれで冷房を使えば使うほど、排熱で温度が上がっていきます。それがために、わざわざ快眠グッズを買ったりしなければならないなんて、なんかおかしいと思いませんか?とくにビル群が海風を妨げている件、一部の人の利益のためにそんなことが起きていると思うと、腹が立ってきます。自然のシステムを無視した行為によって、経済的にも損失が出ていることになります。日本の都市計画の杜撰さの一端がそこにも現れているということなのでしょうね。

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