夏バテには、ぬるめのお風呂!

投稿者: | 投稿日時: 2009年07月05日 13:43

梅雨とはいえ、蒸し暑さが日に日に増してきました。今年はあまり顕著な梅雨寒を感じるということもなかったように思います。むしろ、梅雨の晴れ間の日差しの強さは大変なもの。先日「」で取り上げたような熱射病もますます気になるところです。


しかし熱射病といった重いものでなくても、昔から「夏バテ」は多くの人が経験してきたものかと思います。しかしこの夏バテという言葉、よく考えるとかなりあいまいというか、大まかというか・・・おそらく正式な病名でないだろうな、ということだけは分かります。


実際のところ、何なのでしょうか・・・。

調べ始めたところ、早速分かりやすいサイトを見つけました。

●暮らしの便利帖 夏バテ (東京ガス)
●夏バテとは、その回復法は? (日経BP セカンドステージ)


上記2つの内容をメインに、その他ちょこちょこと調べつつ導かれる結論としては、

夏バテとは、「夏の暑さやそれに伴う生活習慣の変化に体がついていけずに、結果として自律神経の不調が生じて起こる各症状の総称」と言えそうです。


具体的には、

●疲労感、倦怠感(だるさ)、熱っぽさ、むくみ、立ちくらみ、めまい、ふらつきといった全身症状
●無気力になる、イライラする、といった精神症状
●食欲不振、下痢、便秘、といった胃腸症状やそれによる体重減少

といった症状が典型的。経験したことがある方も多いかもしれませんね。


その原因ですが、どうも以下の4つが大きく関係しているようです。

●発汗困難:蒸し暑い(高温なだけでなく湿度が高い)ので汗が蒸発しにくい=汗をかきにくいため、体温調節が困難なぶん、自律神経に負荷がかかります。

●睡眠不足:寝苦しさから睡眠不足になることが昔から夏バテの大きな原因でした。とくに近年はヒートアイランド現象で、都会では夜も温度が下がらない熱帯夜が増えています。

●栄養の偏り:暑さで口当たりの良いものや冷たい飲み物ばかりを求めてしまいがちに。すると栄養バランスが偏って体の調子を整えるビタミンが不足したり、胃腸が弱ってますます食欲不振→栄養の偏りが生じ、悪循環となることも。

●冷房:冷房の効いた室内と熱い屋外の温度差が大きく(5℃以上)、これも自律神経に負担となります。いわゆる冷房病で、現代版の夏バテの原因です。


つまり、暑さによる体の負担に加え、気づかぬうちに冷房が体への負担になっているのでね。


体は本来、環境に適応する力を持っていて、そこを調節しているのが自律神経です。ですから夏は、春を経て、徐々に体が暑さに慣れるように準備をしてきています。しかし、あまりの暑さに夏は室内では冷房を入れるのが当たり前になっている今日、私たちは日常生活の中で数分おきに暑いところと涼しい(薄着では寒いくらい!)ところを出たり入ったりすることも珍しくありません。例えば外出して、電車を乗り継いで、というだけでも自然にそういう行動を繰り返すことになります。


自分たちの意識は、冷房の効いた室内に入れば「ああ、涼しい、助かった」と思うだけかもしれませんが、そのたびごとに一気に調節を任される自律神経は悲鳴を上げているのですね。そしてついに参ってしまうと・・・。


ということは、逆に、冷房の効きすぎに気をつけて生活していれば、夏バテの予防・回復につながると考えられそうです。しかし、全く冷房をつけないのは、暑さでいわゆる元祖夏バテにやれれてしまいますし、この暑さを考えるとちょっと酷です。とくにお年寄りや赤ちゃん、小さい子どものいる家庭では、熱射病を避けるためにも冷房は必要。さらに、会社や外出先、お店の中など、自分では温度を調節できないような場所もたくさんあります。


では現実的な対策にはどんなものがあるでしょうか。いろいろなサイトで紹介されている一般的なものは以下のようなことです。

●温度は冷えすぎないように。外気温との差を5℃以下に。
●ただし除湿を適度に上手に取り入れ、湿度を50%程度に落とすと快適。
●温かく、栄養バランスがよく(後述)、消化に良いものを時間をかけて食べる。
●逆に、冷たいものばかり食べたり飲んだりしていると、胃腸が弱るので気をつけます。
●食欲がないときには多少のスパイスを利かせた食事を。ただし強すぎてはダメ。
●オフィスなどではひざ掛けを使う。とくに足元の冷えに気づかないことが多いため。
●女性は薄手のカーディガンなどを外出時に持ち歩くと良い。
●水分補給を十分に。ただしアルコールは利尿作用があるので、それだけではだめです。●運動時はスポーツドリンクなど電解質も補給。ただし糖分も多いので、日常生活ではあまりお勧めではありません。
●暑くても寝不足になりますが、寝ている間の冷えすぎは問題なので、タイマーなどで途中で切れるよう設定。


そして、私が最も注目した対策は、お風呂と食事です。


お風呂は、私もつい夏はシャワーだけで済ませてしまうこともあるのですが、やはりお湯にゆっくり浸かることは、全身そして胃腸などの症状にも有効なようです。理想としては、ちょっとぬるめ(40℃以下)のお湯での半身浴とのこと。胸から下を10~15分ほどつかります。もちろん冷房で冷えた体が温まることもありますし、さらにぬるめのお湯につかると、体を緊張から解きほぐし、リラックスさせるように働く副交感神経の働きが高まって、心身ともによく休息できるそうです。副交感神経の働きが高まると、スムーズに眠りに入ることもできるので、さらに夏バテには効果的といえます。


そして、食事の栄養バランスの話ですが、なかでもビタミンB群、なかでもB1を十分摂ることがよいようです。


ビタミンBは、エネルギー代謝や疲労回復に関係しています。特にB1は、ご飯などの炭水化物をエネルギーに変かえるのに欠かせない栄養素なのですが、汗や尿から排出されやすく、ストレスが多いとさらに減少してしまうそうです。ですから夏は食事から積極的に摂取していかないといけないんですね。確かに、「土用ののウナギ」ともいわれるよう、鰻にもビタミンB1が豊富です(ほかに、ビタミンAやB2も)。ほかに、豚肉、ニラ、胡麻、枝豆、玄米などに多く含まれています。


このほか、ストレスや強い紫外線に対抗するにはビタミンC、エネルギー産生を活性化させるクエン酸、そしてアリシンという成分がビタミンB1の働きを助けるにんにくも上手に食事にとり入れていくといいようです。


ですからこの時期、生野菜を添えた豚の冷しゃぶなどは、夏バテにぴったりそうですね。ビタミンCもクエン酸も含まれるレモン醤油や、にんにくのきいたピリ辛の胡麻ダレでいただくと、より食欲増進、疲労回復につながります。


ということで、夏はゆっくりぬるめのお風呂につかって、バランスを考えた美味しいものを食べる。これできっと大丈夫ですね。

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