出産時の入院期間はどれくらい必要?

投稿者: | 投稿日時: 2009年11月07日 11:20

妊婦検診に行ってきました。おかげさまで胎児は順調、母体のほうも特段の異常は認められませんでした。(ただ実際のところ、腰痛があったり、食後など動悸というほどではないものの胸の辺りが息苦しかったりと、長男妊娠のときよりも体に不都合を感じています。悪阻は前回よりも早く収まったのですが・・・。体重増加はそれほど激しくないのに、そうは思えないほどのお腹の大きさ←不思議!で、それが関係しているに違いありません。)


そして今回の検診では、助産師さんから分娩や入院に関して、個別に説明・相談がありました。そこで初めて、約3年前にお世話になった病院での入院生活やそこで教わったことと、今回のクリニックでの入院生活ややり方にいろいろ違いがあることを知ったのです。

まず、最もわかりやすい違いは、入院日数です。前回の病院(個人経営のところですが)では初産婦だったこともあり、まるまる1週間入院しました。しかし今回のクリニックでは初産婦は産後5日目、経産婦の私は4日目の朝にはもう退院となります。分娩後に病院で過ごすのは丸3日とちょっと、前回のおよそ半分です。また前回の病院では母子同室となるのは出産後3日目あるいは4日目からで、それまでは新生児室に母親が一定時間ごとに通って授乳(母乳+ミルク)し、夜中は看護師さんらがミルクをあげてくれるシステムでした。ぐっすり眠れたつかの間の数日、という記憶があります。しかし今回は、出産後すぐに母子同室となります。そして赤ちゃんが泣くたびにすぐ母乳をあげる、というやり方です。


実は私は前回、分娩そのものにはほとんど辛さを感じず、むしろ出産直後に体力がまったく回復しなかったことが、非常にきつく、大変でした。どういうわけか直後は立ち上がるだけでくらくらしてほとんど歩けなくなってしまい、1週間以上、体中が痛く、重く、歩くのも足を引きずるようにしていた覚えがあります。それでも実家の近くでの出産だったので、退院後は実家の両親らに大きく助けられました。しかし今回は、長男の生活のペースを乱さないことも考え、里帰りは断念。家の近くのクリニックで出産することにしたのです。その分、気がかりは、赤ちゃんそして長男の世話等のためにも、自身の体力回復です。となると、出産直後からの母子同室と短い入院期間は、体力的には厳しそうにも思ってしまいました。


また、私は前回、出産直後から母乳があまり出なかったので(詰まっているのでなく、分泌が悪くて。)、今回のように最初は一切ミルクをあげないやり方には、多少の不安があります。しかし一方、思い返せば、前回の入院では母乳を一応はあげながらも、結局は最初から大きくミルクに依存していたがために、母乳の出がよくならなかったのでは?という気もします。母乳がよく出るようになるためには、最初に赤ちゃんによく吸ってもらうことが大事だといいます。それを、出が悪いからといってミルクをあげてしまうと、赤ちゃんの腹持ちもいいために次の授乳まで時間が空いてしまいます。母体はその分だけ多少長く休まりますし、母乳もそれまでにたまりはしますが、母乳を次から次へと分泌する能力は開発されません。それで、あげ始めだけよく出るようでも、結局すぐ出が悪くなって量が不足し、ミルクを飲ませてしまう。そんな悪循環に陥っていたのかな、とも思うのです。それが本当なら、今回は完全母乳で何とかなるものなのかどうか、試す良い機会かもしれません。あるいはもしかしたら今回も出なくて、赤ちゃんは泣いてばかり、親も疲労困憊で泣きたくなる、なんてことになるかもしれないですが・・・。(それでも無事、健康に産まれてきてくれれば万々歳ですけどね。)


ただ海外では、母子同室は当然のこと、入院さえ日本よりずっと短い、という国も多いようですね。よく聞くのは、アメリカなど通常2泊3日、24時間以内に退院することもある、といったところでしょうか。調べてみたら、日本でも入院期間に関する研究もあるようで、そこでは「経産婦と初産婦の入院期間の1日の差は妥当性はなく、初産婦の入院期間を短縮することは可能」としています。そんなこんなを考えると、1週間の入院というのは、純粋に医学あるいは看護の必要から出た日数ではないのでしょうね。ただ、例えばアメリカと日本を比較しても、違う点がいくつかあります。まずアメリカ(をはじめ、海外)でよく聞くのが無痛分娩の話。痛みだけでなく体力的な負担も軽いようです。実際、私の友人は無痛分娩で出産し、とても楽だったと言っていました。また、父親の協力がどの程度得られるか、という点も関係があるかと思います。アメリカでは、子供が産まれると父親も2週間程度休みを取って家事等を手伝うことも多い、と聞いたことがあります。しかし日本では、麻酔医自体が不足しているくらいですし、いまだに自然分娩をよしとする向きもあって、無痛分娩が簡単に広まるとは思えないですね(実際、私もいろいろ迷ってはいるのですが、おそらく自然分娩でいく予定・・・)。にも増して、主人に2週間も仕事を休んでもらうなんて考えられません。今まで連続5日間でさえないというのに・・・。


というわけで、日本で1週間も入院するのには、社会体制の問題もありそうですよね。といっても最近は私のかかっている産科のように、入院期間を短くすることで、少ないベッドの回転をよくして満床を避けている、というところも増えているようです。正直、病院で上げ膳据え膳(まるで旅行みたいですが)の期間が長いほど、こちらの体力的には楽ではあるんですけれどね。いずれにしてもその後すぐに、寝るに寝られない、長くハードな生活が始まるんですし・・。


さて、その他にも、今回のクリニックからの説明では、「へえ」と思ったことがいくつかありました。消毒もその1つです。前回の病院では入院中も退院後も毎日、陰部を消毒綿でふいたり、また授乳前にもおっぱいを清浄綿でふいたりと、とにかく徹底した清潔指導がありました。しかしそれを今回の病院でたずねると、助産師さんに「それはかなり昔ながらのやり方ですね~。今はウォシュレットがありますし、おっぱいからは潤滑油が分泌されていて、細菌の繁殖を防ぎ、乳首をほどよく保湿し保護して、亀裂などのトラブルを防ぐ役割があるんです。なのに、清浄綿を使ったらそれが全部拭き取られてしまいますよ」と言われてしまいました。確かにそうですよね。いちいち清浄面で拭かねばおっぱいをあげられないなんて、やりすぎだったのかもしれません。だいたい、そうしていない国で赤ちゃんがみんな病気になってしまうなんて聞いたこともないですし、ずっと昔はそこまでしていなかったわけですから・・・。私達の体は想像以上によくできているんですね。そうそう、同時に「入浴でもおっぱいを石鹸で洗うなんてだめですよ」と、同じ理由から釘を刺されてしまいました。ぜんぜん気にしていなかった・・・。


そんなこんなで、今回は2回目とはいえ、前回とはまた準備や心構えも少し違い(長男の反応や世話も気がかりですし)、逆に気楽とはいえない、というのが本当のところです。それでも前回は油断していて2週間前になっても出産準備がまだ半分くらい、それなのに突然破水してそのまま出産となってしまったので、その反省を活かし、早めに準備をしていかねばと思っています。

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コメント

私は開業助産婦をしているものです。
お産の入院期間についてお話興味深く読ませて頂きました。
かれこれ40数年前に大きな病院で勤務していた頃と現在の多くの病院では何の改善もされず、出産後長く入院させ、また母乳への指導も母子別室になっている所が多いように思います。
私は地域で開業助産婦をしております。自宅出産や助産院での自然分娩をしております。昔は大病院で麻酔分娩にも関わってきました。しかし現在はnatural is best という感じで、自然の出産が一番だと考えております。そうして女性は自然に産む力を持っていると思うのです。ですから多くの女性に自分で自然に産む力を付けて欲しいと助産院で頑張っています。
私の所では妊娠し安定期に入ってから運動(散歩、ストレッチ、山登り等々)をしっかりしてもらい、自分の体を鍛えてもらいます。そうして自分で出産するのだという意識を持つようにしてもらいます。お産は病気ではありません、ですからご自分の体を信じて種族保存をして行く事なのです。また出産は畳の上行い、出産直後から赤ちゃんにオッパイを飲ませるカンガールケアーを行います。もう赤ちゃんは産まれた直後からおっぱいを飲みます。最長2時間位飲む子もいます。そうしてゆっくりとお母さんの側で寝に入ります。このカンガールケアーが母子の関係に大切だと多くの有識者が言っております。赤ちゃんはこのカンガールケアーにより、脳に自分の母親のオッパイの味や母親に匂い等をインプットし刷り込み現象が行われる言われております。WHOでも出産30分位までにカンガールケアーを行いましょうと奨励しております。

お母さんは今までお腹の中でお臍とつながっていた赤ちゃんが今度はオッパイでつながるのです。母親は赤ちゃんがオッパイを飲みたそうにしていると時間には関係なくオッパイ、オッパイと授乳し続けます。
 時には生後2、3日目に赤ちゃんは大泣きをしてオッパイをせがみます。しかし最初は出ないオッパイでも4日目になると必ずでるのです。そうして今度は良く眠るのです。いつもオッパイを飲ませ続けていますから、時には乳首が傷になったりします。それもだんだん痛みもとれます。人間も動物なのに、どうしても病院の合理化に合わせられると結局何だか家畜化してしまうような気がします。多くの病院では新生児室に赤ちゃんを集め、そうして時間おきに授乳をし、夜は新生児室でミルクを与える事、こんな事を1週間続けると、なんと赤ちゃんは母乳よりミルクを飲む様になるのです。
そうして母親は赤ちゃんと離れている方が自分の疲れが取れるのではと錯覚をするのです。それが子育てで一番間違った考えではないでしょうか。多くの動物の母親は自分の所から決して子供を離しません。特にウサギや、猫など産まれて直後の赤ちゃんを人間が触ったらもう自分の子供ではないと思い、食べてしますのです。私は子供が小さい時ウサギを飼ってこのような悲しい現実に直面しました。
人間が動物としてどうしたら良いのかそれを考えたら、おのずと自分の出産や子育てが見えるのではないでしょうか。
私はいつから病院が約1週間入院させ、ケアーをして来たのか分かりません。出産させ、母親になってもらうような指導がされていると言えばちょっと疑問です。病院ではただ残念ながら産ませっぱなしと言う事が多い様に思います。これは自分の過去がそうであったのでそう思います。本当に出産をすることはただ子供を産むだけでなく、どうしたら母乳で育てる事が出来るかと言うサポートが必要だと思います。
北米では出産だけを目的に病院へ行きます。そうして病院での滞在期間は短いです。しかしその後のケアーに助産師がや保健師が訪問しているのです。日本ではまだまだ実家の母親の力があるのでそれが結構良いのではと思っておりますが。その実家の母親も結構働いているので娘の出産後のケアーもおろそかになって来ているようです。
子産み、子育ては多くの人々のサポートが必要だと思います。
家族の支援、地域社会の支援、友人の支援等々、多くの人々は一人の子供の成長を願って支援するネットワークが必要となるでしょう。

>かれこれ40数年前に大きな病院で勤務していた頃と現在の多くの病院では何の改善もされず、出産後長く入院させ、また母乳への指導も母子別室になっている所が多いように思います。

こういう状況はかなり変化しているように思いますが。

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