子供の新型ワクチン接種 決戦は土曜日?

投稿者: | 投稿日時: 2009年11月10日 16:09

今月に入り、新型インフルエンザワクチンの一般の人(優先順)への接種が、前倒し含め次々と開始されるなかで、予想されたとおりの混乱も全国各地で相次いでいるようです。


一方、わが区の発表では、1歳~未就学児の新型インフルエンザワクチン接種開始は一応11月16日からとなっているところ、長男のかかりつけ小児科では、妊婦と同じ11月9日から、接種を開始しました。とはいえ、こちらも季節性インフルワクチンを上回る予約競争となっています・・・。

まずは新型ワクチン接種にともなう各地医療機関の混乱ぶりの一部をここ数日の報道から・・・。

●インフルエンザワクチン接種で病院混乱 季節性不足も 群馬
(2009年11月6日 産経新聞)

●新型インフルワクチン接種、問い合わせ殺到 鹿児島県内医療機関
(2009年11月9日 南日本新聞)

●ワクチン大幅不足 / 愛媛
(2009年11月10日 読売新聞)
 
●新型インフルエンザ:ワクチン不足で混乱 医師会要求、半分以下に /千葉
(2009年11月10日 毎日新聞)

●ワクチン接種、小児前倒しを見送り 新型インフル 
(2009年11月10日 神戸新聞)


これらの報道では、新型(と、季節性)インフルワクチンの不足、それによる小児への前倒し接種の断念、医療機関の混乱が多く報じられています。


とくに優先順位にまつわる混乱については当初から予想されていたとおり。いろいろなところから伝わってくる話によると、その見極めの難しさ、煩雑さが問題になっているようです。
「慢性疾患」の適応では、例えば同じ糖尿病でも、インシュリン注射をしているかどうかで線引きがされているようですが、患者さんからすれば「同じ病気でなぜ?」と思うはず。不満が出るのは目に見えていたことです。ところがこれが他院からの紹介状があると、インシュリン注射にかかわらず接種を行うという対応が迫られたりする、というのです。これはなおのことおかしな話ですね。


さらに、10mlバイアルでワクチンが出回っていることも混乱の原因のようです。保存剤が入っているとはいえ、一度針を刺してしまえば一気に使い切ってしまわねばなりません。となるとまとまった数の接種希望者が一日のうちに訪れなければ、大量の無駄が出ます。全体としてワクチン不足の状況にあるのに、大丈夫でしょうか?それに医療機関にとっても負担しているワクチン購入代が無駄になる上、希望者が殺到したらしたでその対応に追われ、人手は不足、働いている医師・職員も残業とならざるを得ません。聞くところによると、特に小児科などは問診に時間をとられ、なかなか効率よく接種が進まないとのこと。そうなると、収入よりも残業代等のコストが上回ってしまいかねないのだそうです。その上ワクチンが無駄になるとしたら・・・。


そんななか、長男のかかりつけ医のところでも、新型予防接種が開始されました。昨日、長男のクラスメイトのお母さんが「今朝、うちの子も打ってきた」と言っていたのでびっくりして聞いてみたら、医院のホームページのちょっとわかりづらいところに接種スケジュールが突然掲載されていた、とのこと。区の発表では16日からとなっていたのに・・・と、私もさっそくホームページをチェックしたのですがわからず、結局、その小児科に直接電話で確認しました。


すると、毎日は実施していないとのこと。初回は昨日で、次回は今度の土曜日、14日とのことです。優先順位については、「できるだけ慢性疾患のお子さんを優先させたいですが、一応、1歳~未就学児でしたら、もう接種しています」とのことでした。ホームページの該当箇所を教えてもらい再度確認しましたが、今後も週1~2回のペースで、午前中だけ、新型インフルワクチン接種専用受付とし、通常の診療は行わない日を設けていくようです。そもそも入荷されたワクチンが少ないこと、そしておそらくはバイアルのこともあって、こうして集中的に接種する方法をとることにしたのでしょうね。また医院のホームページには、「区は子供に対する集団接種も計画中です。焦らず待ちましょう。」ともありました。ただこちらについては、いまのところまだ気休めくらいにしかとらえられない、というのが接種希望者としての正直な感想です。


わが子は先週末に季節性の2回目の予防接種を受けたばかりなので、昨日、のんきにしていて逃してしまった接種日初日には、いずれにしても接種はできなかったことになります。ということで、狙うは今度の土曜日です。クラスメイトのお母さんによれば、昨日も予約受付開始から1分で、すべての枠(接種開始から4時間分)が埋まったとのこと。パソコンの前でスタンバイしていても、接続が悪ければだめだった、という状況らしいです。我が家のパソコンはちょっと怪しいところがあるので、土曜日、ちょっと心配ですが、とりあえず予定を入れないでおいて、予約獲得に挑戦してみたいと思います。


もしうまくいけば、妊婦の私より先に3歳の長男が接種することになるんですね。大人は基礎免疫が獲得されているという話もありますので、それはそれでよいのですが、そうなるとますます厚労省の決めた「優先順位」ってなんなんだろう、って気になってくるのでした。

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コメント

>厚労省の決めた「優先順位」

優先順位そのものはワクチン総数が少ない以上決めざるを得ない重要事項です。問題は優先順位者の抽出法と優先接種手順の決め方にあります。もちろん厚労省が行政官として結果責任を負うことを当然の前提として、自省内で決めたものですが。

それにしても、ロハスメディカルには、妊婦や高齢者、基礎疾患のある人にも、新型インフルエンザワクチンが1回接種に変更になった、という記事が出ませんね。
10月19日の足立政務官の判断を持ち上げていたのですから、なんらかの記事が出ると思っていましたが。
ロハスメディカルはジャーナリズムではなく、政治運動だということですかね。

松本留五郎さん。あなたは鋭い。まさに政治運動かも。
政敵(医系技官や御用学者など)の誹謗中傷には熱心だけど、自らの記事の事後検証はしない。

堀米様

心配などしないでください。
すでに新型インフルエンザ第2波はピークを越えようとしています。今からワクチンを打ってもほとんど間に合わないでしょう。
ワクチンの接種後、その効果は1か月後以降に発揮されると考えてください。実感染では解熱し始めた日から同じウィルスに対して免疫が働くと思われますが、ワクチンでは違います。
インフルエンザワクチンが有効だというエビデンスがあるのは老人だけです。他のいかなる人にも有意差はありません。
季節性インフルエンザワクチンは過去3年以上にわたって予測が外れ続けています。
全てのインフルエンザにおいて、発症から2日以内の早期治療は4日以降の初診に対して有意に死亡率を下げそうですが、おそらく欧米ではデータがそろいませんし、そろっても報告しないでしょう。日本のデータと他国のデータを比べれば明らかに有意差がありますが、論文として掲載されるか否かはちょっと微妙です。
発症から2日以内では、簡易検査薬はあまり頼りになりません。

あなたはそれでもインフルエンザワクチンを打ってほしいと思いますか?私は年間100人を超えるインフルエンザ患者さんを診療していますが、打たなくなって既に10年になろうとしています。

ロハスメディカルさま

社会を構成している以上人間のいかなる行為も人間による批判という行為の対象となります。誰も他人の口に戸は建てられないので何をどのように言おうとその人となりに応じて十人十色であり、批判のための批判さえ自然現象と見ることもできます。ただし人自身の生存活動にとっては口は食べ物を摂取するために存在する器官であり、口でどう語るかよりいかに行動して摂食するかの方が個体の生存にとって重要度が高いでしょう。毀誉褒貶では誰の空腹も癒せないですから。
ここからは私の個人的な意見ですが、ジャーナリズムにおいても記事を書くだけではなくどういう活動をしているかが重要になると思います。あの「官に頼らず公を創る」募金活動こそロハスメディカルの公徳心を体現した活動であり、ジャーナリズム宣言の核であると思います。逆に言えば公徳心を体現する不断の活動なきジャーナリズムなど存在すること自体困難でありましょう。
しつこくて恐縮ですがやはりページの冒頭にあの「官に頼らずとも公は創れる」のワンクリック募金を、ワンクリック100円にして堂々と掲示して欲しいです。

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