改善を重ねて |
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投稿者: 川口利 | 投稿日時: 2012年06月15日 21:56 |
失敗してしまった第1回「いのちの授業~がんを知る」から約1カ月後の平成23年6月中旬、第2回を迎えることとなりました。
1回目終了後、総括および2校目準備のため打ち合わせを実施する中で、事前に授業を見学させていただいたらどうかとの提案が出されました。確かに、1回目は生徒さんたちと顔を合わせるのは授業当日が初めてでしたので、どのような雰囲気の生徒さんなのかもその場で把握するしかありませんでした。
地域や学校によって特色も違うだろうということ、事前に準備できることがあるなら可能な限り前向きに取り組むべきということから、2校目以降は、必ず事前に授業見学をさせていただくことにしました。校長先生にご同伴願い、各クラス5~10分程度ですが、全学年の授業を見せていただくようにしました。音楽や体育などの授業にあたることもありますので、活動的かどうかなどを見させていただくことも参考になりますし、学年ごとの特徴なども垣間見ることができます。学校側でも特に校長先生は「そこまでご準備いただけるとは」と喜んでくださいますし、信頼関係を築くうえでも大切な要素となりました。
もう一つ改善を図ったのは、1回目で失敗した授業の進行と時間配分です。内容的に欲張り過ぎたことも時間が超過した原因との反省から、少し内容を絞ることにしました。私たちの時間感覚ではなく、中学校という場に適した時間配分を心がけることに立ち返りました。
1回目の授業計画が
導入:「いのち」という言葉から感じることは?(5分)
起:なぜ「がん」を取り上げるのか?(10分)
承:「がん」は身近なもの?(10分)
転:「がん」を経験して(20分)
結:「がん」になってしまったら? {まとめを含む}(20分)
意見交換:(20分)
という4部構成であったのに対して、2回目の授業計画は
導入:「いのち」という言葉から感じることは?(5分)
第一部:「がん」は身近なもの?(10分)
第二部:「がん」を経験して(25分)
第三部:「いのち」とコミュニケーション {まとめを含む}(20分)
質問タイム:(10分)
という3部構成にしました。
内容を絞るということと、1回目の授業よりも患者側講師の話す時間を延長することで、時間超過を防ごうという狙いもありました。結果的に全体としてはまとまりのあるものになり、生徒さんからの質問も複数出され、1回目とは比較にならないほどよい出来になったと思います。ちなみに授業の長さに関するアンケートでの反応ですが、(1)とても長いと感じたが
22.7%で(2)少し長いと感じたが57.5%でした。
引き続き2学期に実施予定の3校目に向けて準備に入ることとなりました。次なる課題として以下の点を考慮することにしました。
1 まだ欲張り過ぎている感があり、時間的に長いという生徒さんが多いので、内容的に思い切った改革をする。
2 第二部「がん」を経験して、の部分でどうしても時間超過になるので、改善策を模索する。
1については、これまで第二部の後に「がん」になってしまったら? や「いのち」とコミュニケーション、というような新たなテーマを設定していましたが、これをやめて、第二部で患者側講師の話を聴いてもらった後は、すぐに「まとめ」に入り、その後生徒さんたちからできるだけ多くの質問を出してもらうようにすることとしました。導入部分から第一部までは、生徒さんたちにクイズを出して正解だと思う選択肢に手を挙げてもらったり、直接マイクを向けて意見を聴いたりする場面があり、参加型の授業が展開できているのに、第二部以降は、患者側講師や進行役の話を聴くことが多くなり、生徒さんたちも受け身になり飽きてくるだろうし、質問しにくくなってしまうのではないか、というような指摘もありました。
そのことも踏まえたうえで、2については、これまで患者側講師が単独で話す形態で展開してきたものを、進行役がインタビュアーとして質問を投げかけ、患者側講師がそれに回答することとし、進行役側でタイムコントロールできるような形態にすること、まとまった時間1人の声だけを聴くのではなく、違うトーンが入ることで飽きさせないように工夫することとしました。
でき上がった3校目でのプランは以下のとおりです。
導入:「いのち」という言葉から感じることは?(5分)
第一部:「がん」は身近なもの(10分)
第二部:「がん」を経験して(インタビュー形式)(30分)
第三部:まとめと質問タイム(20分)
3校目以降のお話は、また改めてさせていただきます。
明日は、小金井市立小金井第一中学校での「いのちの授業~がんを知る」実施日ですので、今日はこの辺で失礼いたします。