和賀井敏夫・順天堂大学名誉教授インタビュー
――間に合ったのでしょうか。
はい、奇跡的に間に合いました。そして我々の成果を発表したところ、日本でもこんなに素晴らしいことをやっているのか、と大変驚かれました。私としては、国内の医学界からは相手にされなかったことが世界で評価されて有頂天になると同時に、初めて目の当たりにしたアメリカ文明の発達に度肝を抜かれて、こんな相手と競争になるのだろうかと自信をなくしたのも事実でした。しかし、とにかく研究を続けるぞと気持ちを奮い起こして大学へ戻りました。行く前は、もう大学へは帰れないかもしれないとまで覚悟していました。
はい、奇跡的に間に合いました。そして我々の成果を発表したところ、日本でもこんなに素晴らしいことをやっているのか、と大変驚かれました。私としては、国内の医学界からは相手にされなかったことが世界で評価されて有頂天になると同時に、初めて目の当たりにしたアメリカ文明の発達に度肝を抜かれて、こんな相手と競争になるのだろうかと自信をなくしたのも事実でした。しかし、とにかく研究を続けるぞと気持ちを奮い起こして大学へ戻りました。行く前は、もう大学へは帰れないかもしれないとまで覚悟していました。
その後もいくつも障害はありましたが、地道に乗り越えて研究を続けているうちに、気づけば世界の研究をリードする立場になっていました。
――また大変初歩的な質問で申し訳ありませんが、超音波診断の利点は何でしょう。
患者さんや術者に障害や痛みが全くないこと、装置が比較的小型でどこでも手軽に検査できることです。がんの診断、心臓・循環器系の診断、産科の妊娠や胎児診断に使えます。特に産科分野は、放射線を使えませんので超音波の独壇場です。お産の安全性向上には大いに寄与したと思っています。
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