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ニュース〜医療の今がわかる

医学生の会勉強会1


土屋
「今やドイツも昔のドイツの制度ではない。実は各国ともにかよってきている。それぞれの国でどういう医師を育てるか考えてきたら、結果的に似てきたということだろう。ところが日本の場合は考えてこなかった。それは政府が悪いのではなく、医師が職能集団として真面目に考えてこなかった。だから制度が悪いというのは天にツバするようなものであり、国民からしたら、お前らが悪いと言いたいだろう。米国が一番よいと思っているわけではないが、あそこが一番よく考えられている。ヨーロッパや日本が歴史の足かせのあるところで、アメリカは100年の間大きなコミュニティで考えてリニューアルを続けてきた。(中略)大事なのは日本の土壌にあったシステムを考えることであり、歴史的な足かせのある分、最終的にはヨーロッパの方がお手本にはふさわしいのかもしれない(後略)」


この他にも、たぶん医学生にとっては重要なんだろうというやりとりがずっと続いたのだが、部外者には余り関係ない話なので、この辺で報告を終わる。最後に土屋院長が以下のメッセージで締めくくった。

「学生に求められていることは何か。皆さんは自分で自分の針路を考えている。それで十分。試験だったならば100点をあげる。自分で考える。医学部以外なら、みなやっていること。どうぞ自由にやってほしい。医師免許があれば何とかなる。教科書は患者さん。患者を向いてやれば、間違いは起こらない。医師に必要なのは、技術、知識、知恵の3つ。とかく前2つが偏重されがちだが、知恵は自分でトレーニングしないと身につかない。そのうえでさらに必要なのは倫理観、チームをまとめる和。さらに論語調になるが「仁」。慈しみ思いやり自己抑制と他者への思いやりだ。今患者さんや患者団体が医師を責めているのは、そこが足りないからだ。そして最後に「徳」。よい行いをする性格、身についた品性と人を感化する人格の力だ。午後5時過ぎたら悪さをしても構わないが、少なくとも医師である時は徳を失ってはいけない」


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