医と法のあいだを考える
表題のようなものに行ってきた。シンポジストは医療側から、小松秀樹、上昌広、澤倫太郎の各氏。法側から、平岩敬一弁護士(大野病院事件弁護団長)、小林公夫明治大学法科大学院講師
ということで、はてさてどんなことになるやらと思って見にいったが、やはり医と法とでは全然話が噛み合わないということを再認識した。
特に法側の方々が、医側の言っていることを、それって法的に言うと、こういう風に言えるよね、と自分たちの言語体系に落としこんでから議論を組み立てようとすることには滑稽を通り越して恐怖すら覚えた。
ひょっとして法律家の方々は、法の言葉と体系ですべてのものが語れると思っているのだろうか。非常によく現れていたやりとり一つだけご紹介する。
木ノ元弁護士(会場)
「医療水準について、医と法との間にコンセンサスはあるのだろうか(略)」
(中略)
小松
「医療水準という言葉自体が法的な考え方で、医療界にはない(略)」
上
「司法としては、根拠を論文や文献に頼らざるを得ないということだが、その論文や文献は専門的な医療者の相互理解のために書かれたもの。部外者が読んでも分かるはずがない(略)」
澤
「情報をお互いに出し合うことが大切だろうが、その翻訳は難しい」