チーム医療の中心は薬剤師―DPC評価分科会
■ 医療の質にとって非常に重要なファクター
[西岡分科会長]
佐藤委員からのご報告に関して、どうぞ。
[邉見公雄氏(オブザーバー出席、全国公私病院連盟副会長)]
病院薬剤師の病棟業務というのは、昔に比べて大事になったと思う。以前、病院薬剤師の定数の在り方に関する委員会に出た時にはまだ、チーム医療や病棟での役割がなかった。処方せんの枚数は少し減る傾向にあったが、今は抗がん剤や新薬もたくさん出ているし、ドクターもナースも忙しい中で、薬剤師の病棟業務が増えている。
われわれ自治体病院で見ると、「骨太の方針2006」で公務員を4.7%減らすという中で、「院外処方」のために薬剤師がかなり減ってしまった。そうすると、リスクマネジメントやセーフティーマネジメントの上からも、いろいろな意味で薬剤師は外来でなく病棟ということになっているので、この辺を評価しないと病院のチーム医療などは進まないのではないかと思う。先程の佐藤委員のデータを見て、さらに納得した。
[池上委員]
このデータに関して、薬剤師の卒業後の研修ということも考慮する必要がある。単なる薬剤師数で比較すると、研修を行っている病院の薬剤師数が実際の機能を必ずしも反映していない可能性がある。
まだ、6年制に移行していないので、もし次回に調査するときには、少なくとも卒後1年目の薬剤師というのはカウントしない方が......(会場、笑い)。
特に規模が大きい病院は、実質的には研修病院としての機能を担っているので、より適切な実態を反映できるのではないかと思った。
[原正道分科会長代理(横浜市病院事業管理者病院経営局長)]
薬剤師の病棟業務というのは、邉見委員が言ったように、医療の質にとって非常に重要なファクターになりつつあると思う。 (佐藤委員、うなずく)
質問だが、この中で、服薬指導、あるいは配薬の時に、薬を飲ませて、患者が本当に飲んだかどうかの確認は現在、看護師がやっていると思うが、そこまで薬剤師が踏み込んだ方がいいと思うが、それについてどういうご見解をお持ちか。
[佐藤委員]
まず、配薬と予薬ではないかと思うが、病棟に常駐している薬剤師は基本的に配薬まで。そして、患者さんがしっかり飲んでいるかを確認するかという作業をして初めて、いわゆる、アドヒアランスというか、チェックするのがわれわれの役割なので、それはしっかりやっている。
ただ、そのデータをアメリカの薬剤師のように、治療効果がある設定の領域まで改善したとか、それをチェックするところまでは進んでいない。将来的にはそういうところまでアウトカムをしっかりやっていきたいと思う。
[小山信彌委員(東邦大医療センター大森病院心臓血管外科部長)]
病棟薬剤師の役割に関して、佐藤先生がおっしゃったような形のものをやるとなると、やはり患者さんが起きている時間はずっと薬剤師が病棟にいなければならないような状況が出てくる。
私の病院にも、薬剤師が各病棟に1人ずついるが、1人では足りない業務。そのぐらい業務の内容が濃くなっている。
病院としてやってほしいのは、病棟の薬に関してはすべて薬剤師がやるという形で、患者への説明から、配ることから、飲ませることの確認からすべて薬剤師がやっていただくといい。
もう1つ今、非常に良い形が出てきているのは、病棟に薬剤師がいると、医者や看護師の相談相手になってくれる。
非常に良いアドバイスを薬剤師がしてくれる。そういう意味で、ぜひ薬剤師の評価を大きく付けていただきたい。実際の臨床の現場から感じている。(佐藤委員、会釈する)
[西岡分科会長]
ありがとうございます。ほかにご意見は。
[佐藤委員]
すみません、池上先生の先程の......、非常勤は、1年生のいわゆる研修レベルが病棟でやれるかという話だが、私の大学病院の例を挙げると、非常勤の比率が半分ぐらいで高い研修型の病院だが、1年目はほとんどトレーニングで、実際の基本業務をさせて、病棟は2年目以降にやらせることになっている。
普通、大きな病院では、1年生をカウントしていない方が多いのではないか。
[西岡分科会長]
ありがとうございます。
[松田晋哉委員(産業医科大医学部公衆衛生学教授)]
図の見方を教えていただきたい。(資料のグラフの)横軸の「DPC対象患者数区分」は病床数か。
[佐藤委員]
例えば7ページ。最初、急性期の方が高い方が評価できるのかなと思ってやったのが1つ。
実は、松田先生のデータもそうだが、1から99床の区分の患者数が、データが高くなっているので、単なる病床数ではなくて、DPC対象病院を区分してみて、この外れ値で何か言えないかということで......、したので......、大体は、800とか799という数字は、病床数とイコールだと......。お答えになっているだろうか......。
[松田委員]
病床数?
[佐藤委員]
基本的には、病床数でよろしいのだが......。
[西岡分科会長]
では、ほかに。なければ、ここまでとさせていただきたい。(以下略)