総選挙直前企画 各党の医療政策を聴く①自民党
(医療のあるべき姿をどのように考えますか)
日本の医療が今言った3要素をきちんと維持していくというのが、私は非常に重要なことだと思っています。ただ、それには色々な問題が今起きてきています。一つは、経済がある意味でかつての昭和30年代、40年代のような高度成長で年率で8%10%成長というようなことではなくなりました。しかも、私もちょうど団塊の世代ですけれど、この団塊の世代がこれから高齢化していくわけで、もうリタイア組がパラパラと出始めましたから、こういうような人たちが、これから「支える側」から「支えられる側」になっていくことについて、医療制度を持続可能なものにしていくうえで一工夫も二工夫もいるだろうと思っています。
なぜなら現役世代の人は、もちろんがんだとか生活習慣病だとかになることもありますけれど、少なくともたとえば75歳を過ぎた方々は医療に対しての必要性が顕著に増しますから、そういう意味で言うと、高齢者の医療というものを現段階というよりは、むしろ今後団塊の世代の今ちょうど「アラ還」といわれているような人たちが75歳80歳になった時に、日本の医療を支える側の負担が非常に過重になるのでないかと心配しています。ですから今からそのことについて、しっかりと態勢を整えて、できるだけ持続可能な制度にしていかなければならないだろうと思います。
それにはいくつかポイントがありますけれど、ある程度支え手でもあり続けられる高齢者には負担をしていただかないと、現役世代が非常につらくなってしまうことがあるので、かつてのようにリタイアしたら現役世代が全て高齢者を支える、こういうようなことは少し改めないといけないことだし、我々団塊の世代も頑張れる人には頑張ってもらう、そしてどうしても医療にかからざるを得ないような人たちは、同世代あるいは現役世代そういう人たちでお互いの負担を分かち合いながら、しっかり支えあうように制度に変えていかないと、少なくとも20代、30代の人たちに過重な負担がかかってしまうような制度はよくないと思っています。
それから技術面でいうと、昨年一昨年ぐらいからメタボリックシンドロームというな言葉が言われるようになって、国民の皆さんもよくご存知になるようになりましたけれど、少なくともこれから生活習慣病と言われるものが日本の中では医療の中での中心をなしていくわけですから、国民の皆さん1人1人に、生活習慣、特に食事、運動、休養、こういうものを自助努力としてお互いに気をつけ合うというのが、自分の幸せにもつながるし、現役世代、若い世代への医療費負担への過重な負担をさせないということにつながるので、予防とか生活習慣を改めるとか、国民みんながお互いに考えなければいけない、こういうようなことをもっともっと意識をしていただくような時代になっていくのだろうと思っています。