「がん対策 地方議会で議論を」 仙谷行政刷新相
仙谷由人・行政刷新担当相は28日、「がん対策基本法をつくったけれど、事務局の厚生省のやり方が自治体に丸投げに近くて、国民の実感として医療環境がよくなっていない。議論を自治体の中で巻き起こしていただかないと前へ進まないのでないか。都道府県が本気になった時、もう1回矛盾が出てくるだろうが、その問題提起が自治体側からされれば、国としても解決できるのでないか」と、がん医療に対して地域レベルで考えることを呼びかけた。(川口恭)
この日開かれた医療クラスター研究会シンポジウムで述べた。
この問題に関する仙谷氏の発言は以下の通り。
「今の一つの問題は、がん対策基本法をつくったけれど、なかなか進展しない。予算がどうのという問題もあるけれど医政局、事務局の厚生省のやり方が、地方自治体との関係で、どうも丸投げに近くて、上から縛ればいいという話ではないんだが、どうも無責任なことになっている。あるいは補助金の10分の5とか、そういう補助金システムがどうも首長さんがついて来れない。都道府県が医療についてほとんど権限と責任がないということになっているので、非常に隔靴掻痒というか、中央で予算をつけて確保しようとしても、なかなか現場で進んでいかない。特に国民にとっては実感のある形で自分の周囲の医療環境がよくならない。こういうことを、ここ1年ぐらい感じている。
そこで、県議会や市議会を一度ご覧になるとよく分かると思うが、ここでまともな医療提供体制と国民負担、市民負担ということの議論がほとんどなされていない。口を開けて待っていれば、あるいは口も開けずに待っていれば、日本の医療水準が保証されるという幻想の中にいる。
今、色々な所へ行って、市議会や県議会でがん対策基本条例でもいいし、あるいは乳がん検診条例でもいいし、何か条例をつくるとか、そういう議論を巻き起こしていただかないと、なかなかそれ以上進まないんじゃないか。今日ここにお見えになっている専門家の方々、ぜひ市会議員とか県会議員とか名前のつく人間を見つけたら、引っ張り込んで教育して、そのことを議会で議論していただく、身近な地方議会で議論していただきたい。それが重要だろうと思う。
多分そこで都道府県がその気になって、その結果またもう一度どこかに矛盾が出てくるだろうけれども、それは問題提起が自治体の側からされれば、それはかなり問題点を整理して国の方も解決できるのでないか」
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