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11月18日の中医協 (ブリーフィング)


■ 基本問題小委員会③ ─ 回復期リハビリテーション病棟
 

[保険局医療課・佐々木健課長補佐]
 回復期リハビリテーション病棟については、論点が2つです。

○ 論点
1 調査検証結果を踏まえ、回復期リハビリテーション病棟入院料の質の評価についてどう考えるか。
2 回復期リハビリテーション病棟において、患者の回復に必要なリハビリテーションが十分に提供される体制の担保について、診療報酬上の評価をどう考えるか。
 まず、「質の評価」ということで、前回改定で試行的に導入されたものがあります。

 それが参考資料の26ページで、点数が一本だった(回復期リハビリテーション病棟入院料を)2つにして、さらに(新規入院患者のうち)重症患者が1割5分以上、在宅復帰率が6割以上とか、重症者の3割以上が(退院時に)改善しているという評価を導入したわけですが、それに関しては検証部会の結果を(佐藤)課長から説明しました。

 結論から申し上げますと、今回の質の評価の基準を(回復期リハビリテーション病棟入院料1)の点数でなくても、2の点数でもクリアしていた。基準としてはそんなに厳しすぎたということではないと思いますが......。

 ▼ 厚労省は「質の評価」を入院料2についても導入したい意向か。ブリーフィング後、佐々木補佐は、「それはあり得る」と述べるにとどまった。同日の意見交換では、支払側の北村光一委員(経団連社会保障委員会医療改革部会長代理)が「70%近くが在宅に復帰しているなど成果が上がっている」と指摘。白川修二委員(健保連常務理事)委員も「良い結果が出ている」と満足げだった。現場の意向と逆行した改定になる恐れがある。

 「質の評価」というやり方については、今日の中医協の議論を私が聴いていた範囲では、このやり方自体はいいんじゃないか(という意見)。ただ、要件をどうするかということについては、もうちょっと議論したいという話があった。ですから、「質の評価」自体は引き続き22年度改定でもやるけれども、その要件ですね、在宅復帰の割合の考え方とか、そこら辺の上げ下げの話はもうちょっと議論が必要という理解です。そういう議論を今後はしていただくことになるのかなあと思っています。

 ▼ 意見交換で、支払側委員は「良い方向」と絶賛した。診療側を代表して意見を述べた鈴木邦彦委員(茨城県医師会理事)は、「一定の評価をすることができる」と述べた。

 2つ目の論点は参考資料33ページ(入棟患者1人1日当たりリハビリテーション実施単位数)。「回復期リハビリテーション入院料」ということですから、当然リハビリは頑張っていただいていると思いますが、その中でも若干、「リハビリの提供が薄いのではないかな」というところが見受けられる。

 参考資料34ページ(提供単位数と改善状況)では、リハビリをきちんとやれば改善していくということ。正直、ある一定のところまで行くと......、60単位ということは20(分)掛ける60(単位)だから1200分、ということは20時間。そんなに1週間にリハビリするとあんまり上がらなくなるのですが、それ以前のところではリハビリができる状態の方はやればやるほど良くなるというデータもある。

 回復期リハビリテーションというのは集中的にリハビリを受けていただいて在宅復帰を目指すというのが本来の趣旨。そうすると、ある一定程度リハビリを実施していただく必要があるのではないか。
 当然、患者さんの日々の状態もありますが、平均的に薄いところとすごくやっているところがあるというのが今回の結果で分かったので、そこはちょっと差別化というか、取り組んでいる所には評価が必要ではないかなというのが今日の議論でもあったと思います。

 あと、参考資料の最後のページ、土日のリハビリテーション。土曜日はかなり出勤している職員がいるのですが、日曜日はなかなか難しいと。
 ただし、今日の議論でも出ましたが、リハビリを継続して受けることが大事。特に初期の段階で、入院してすぐに年末で正月休みになってしまうと、一番大事な時期にリハビリが受けられないということになるので、やはり鈴木委員もおっしゃっていましたが、365日。医療現場の方は大変だと思いますが、リハビリについてはそういう体制を取っていただいているほうが良いリハビリ環境と言えるのではないかということもありまして、そういうことを評価してはどうか。
 この基本的な考え方に対しては、(支払・診療側)両方とも「そういう方向でいいんじゃないか」ということでしたが、具体的な基準なり中身、やり方については今後また議論していただくということかと思います。


【目次】
 P1 → 総会 ─ 医療経済実態調査に係る意見
 P2 → 基本問題小委員会① ─ 医療技術の評価
 P3 → 基本問題小委員会② ─ 疾患別リハビリテーション
 P4 → 基本問題小委員会③ ─ 回復期リハビリテーション病棟
 P5 → 基本問題小委員会④ ─ 医療安全に関する体制
 P6 → 基本問題小委員会⑤ ─ 事業仕分けに関する嘉山委員の資料等

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