11月18日の中医協 (ブリーフィング)
■ 基本問題小委員会④ ─ 医療安全に関する体制
[保険局医療課・佐々木健課長補佐]
医療安全の論点は2つです。
○ 論点院内感染対策に関して、従来もう入院基本料で評価されているようなところまで評価するかについては、ちょっと議論が分かれると思いますが、それなりに人を配置したり取り組んでいる病院もありますので、そういう所の評価をどう考えるか。
1 院内感染について、専門知識を有する医療関係職種による抗生剤の適正使用やサーベイランス、多職種による回診等、より手厚い管理について、診療報酬上の評価をどう考えるか。
2 専従の医薬品安全管理責任者を配置し、医薬品情報管理室又は薬剤部門で医薬品の安全性情報を一元的に管理するとともに、その評価結果を関連する医療関係者に周知し、必要な措置を速やかに講じる体制について、診療報酬上の評価をどう考えるか。
▼ 意見交換で、邉見公雄委員(全国公私病院連盟副会長)は「院内感染や医療事故はないのが当たり前だから、以前の議論では入院基本料に入っているという話だったが、以前と今では病院の状況が一変している」と指摘。「少々の点数では賄えないぐらいのいろいろな感染症対策などをやっている」と評価を求めた。鈴木邦彦委員(茨城県医師会理事、日本医療法人協会副会長)は医療安全管理体制加算について、「研修を受けた専従(看護師)が必要なので、かなり大規模な病院でないと取れない」として、院内感染や医薬品安全管理について中小病院が取れるような要件を求めた。西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)もこの意見に同調。医療安全管理体制加算の要件が厳しいことを理由に、「専従要件」の見直しを求めた。
一方、支払側の小林剛委員(全国健康保険協会理事長)が「(医療安全は)法令上当然進めなければいけない。定着させるための評価なので、定着したら入院基本料の中で評価すべき」と主張。これに西澤委員は、医療安全対策に掛かる費用を独立の「基本料として要求したい」と返した。嘉山孝正委員(山形大学医学部長)も「予防に関する点数を引き上げれば質が上がる」と主張した。
それからもう1つは医薬品安全管理について。薬害肝炎対策の検討会を医薬食品局でやっておりまして、病院の中で副作用情報などをドクターにちゃんと周知するように取り組んでもらえたら、薬害や副作用も減るのではないかというご指摘があったので、そういうことも踏まえて何らかの体制を取っている所の評価を考えたらどうかということでございます。
これについては、評価すること自体は1号(支払)側も2号(診療)側も異論がなかったのですが、評価の仕方についてですね、施設基準を設けてさらに上乗せということか、それとも現場でかなり取り組んでいるし、小さい病院でもやらなければいけないので幅広く入院基本料を上げるような形で評価するのかという、評価の仕方については、1号(支払)側、2号(診療)側、ご意見いろいろあったと思います。「何らかの評価が必要ではないか」ということは合意したように感じています。
【目次】
P1 → 総会 ─ 医療経済実態調査に係る意見
P2 → 基本問題小委員会① ─ 医療技術の評価
P3 → 基本問題小委員会② ─ 疾患別リハビリテーション
P4 → 基本問題小委員会③ ─ 回復期リハビリテーション病棟
P5 → 基本問題小委員会④ ─ 医療安全に関する体制
P6 → 基本問題小委員会⑤ ─ 事業仕分けに関する嘉山委員の資料等