文字の大きさ

ニュース〜医療の今がわかる

医療政策を決めるのは誰?

2月17日の医療部会.jpg 政府・与党の会議に対し、厚生労働省の会議で不満の声が上がっている。今後の医療政策は誰がどこで決めるのだろう。(新井裕充)

 厚労省は2月16日に中央社会保険医療協議会(中医協)を、17日に社会保障審議会の医療部会を開催した。中医協では、医療側の委員が連名で抗議文を提出、医療部会でも同様の意見があった。

 これらの主張を一言でまとめると、「私たちの頭を飛び越えて決めるな」ということ。しかし、厚労省の会議には利害団体が群がっていて、役所と水面下で調整しながら表舞台は茶番と化している。

 そのため、一省庁内の会議を政府・与党の会議がバッサリやるのは決して悪くないように見えるが、民主党もアレコレあるような状況。強引な「政治主導」がどれほど国民の支持を受けるか疑わしい。

 17日の医療部会で厚労省が示した資料によると、「社会保障改革検討本部」やら、「社会保障改革に関する有識者検討会」「社会保障改革に関する集中検討会議」など似たような名前の会議が並んでいる。その多くが非公開で実施されているせいか、周囲の業界記者らの関心も薄い。

社会保障改革に関する検討経過.jpg 広く国民に開かれているという点では、「現在の中医協や社保審に一票」と言いたいが、これまでの議論を聴く限り疑問符が付いてしまう。
 一方、政府の会議に対しては「自公政権時の議論の流れを踏襲する布陣」との報道もある。「財務省主導」との声も聞く。

 いずれにしても、今後の医療政策を誰がどのように決めるのかは不透明なまま。一般国民から見えにくい。現在の中医協は茶番で、社保審はガス抜き会議。政府の会議はほとんど非公開で密室決定。ならば、「どっちもどっち」という気もする。

 ただ、17日の医療部会の議論を聴いた人なら、「この方々には任せてはおけない」と思うかもしれない。そんな1つの判断材料になるか分からないが、17日の医療部会の模様(前半部分)を2ページ以下に記した。


【目次】
 P2 → 「説明は簡潔にお願いします」 ─ 齋藤部会長
 P3 → 「短く終わらせるつもりでしたが」 ─ 厚労省
 P4 → 「医療部会の役割を明らかにして」 ─ 西澤委員
 P5 → 「医療部会として声明を政府に出すべき」 ─ 日医副会長
 P6 → 「同じことを繰り返して進歩がない会議」 ─ 患者団体幹部
 P7 → 「ロシアや北朝鮮と同じようになってしまう」 ─ 全自病会長
 P8 → 「現場を知っている皆さんの意見を」 ─ 元日経幹部
 P9 → 「医師の国家試験が難しすぎる」 ─ 大学教授


  • MRICメールマガジンby医療ガバナンス学会
loading ...
月別インデックス