診療報酬上げても大部分は付け替え ~『現場』討論1
こういったことは、実は今上先生の研究室とやっている長期服薬生存者のところでも同じような問題はあると思う。社会的な弱者のところを特に見ると、健常者のシステムが一方ではあって、そこに入れない人々のシステム、障害者であったり長期闘病者のシステムがもう一方であって、その間の具体的ブリッジが何もない。
例えば、障害者の方から健常者のシステムの方に移ろうと思うと、ブリッジが無いから一生懸命に頑張っても途中の溝にストンと落ちてしまう。そういうことが見られて、こういうミクロの問題を解決していくことで、やはり我々社会全体の工程がもっと上がっていくのでないか。
先程お金が不安だから将来のために貯めておかないといけないという話もあったけれど、そのようないろいろな社会的なリスクが、そこここにあるために、それを担保するためにお金はやはり取っておかないと不安になる。それが元でやはり自分のところに蓄えてしまって、いろいろなところにお金を使っていけないというような問題もあって、そういうものがボディーブローのように、小さい問題に見えるかもしれないけど、実際に問題に直面している方々にとっては非常に切実な問題で、そういった方々は例え薬が得られても、これは社会的な死活問題ということになってしまう。そのようなミクロのレベルの問題を丹念に拾い上げていくことが、方策としていたって重要なのではないかと思う」
(つづく)