診療報酬上げても大部分は付け替え ~『現場』討論1
7日に行われた『現場からの医療改革推進協議会』。亀田隆明氏の問題提起、松田学氏の問題提起などを受け、鈴木寛文部科学副大臣が司会して行われたディスカッションの模様を何回かに分けてご紹介する。(川口恭)
鈴木
「政権が代わった。今までは、"しがらみベーストポリシーメイキング"という時代だったが、これからは、"エビデンスベイストポリシーメイキング"というパラダイムにシフトしたいと思っている。しかし、そこで乗り越えなければいけないのは、"イメージベイストポリシーメイキング"という流れが一方ではあり、このイメージとエビデンスの差をどのように縮めていくか接近させていくか、そういうプロセスをいよいよこの9月から皆さんと一緒に挑戦していくということではないかなと思っている。(中略)
今日の皆様方の発表で、かなり構造が見えてきたと思う。
亀田先生から医療費抑制政策の呪縛から脱却しなければいけないということを、非常にエビデンスに明確に基づいて語っていただいた。その中には先程仙谷大臣からもお話があったように、特に公的ではなくて公立病院のガバナンスの問題もお示しいただいた。そうしたガバナンスを改善しつつも、絶対水準としてのいわゆる診療報酬というものが低いことで、日本の過半数を担っている民間の基幹的公的病院が非常に厳しい状況になっていることを極めて重要なメッセージとしていただいた。
しかし一方で、松田先生から、あまりにも急激な少子高齢化の進展と、財政赤字、今年度予算を税収がとりわけ厳しいという状況の中で、従来の枠組みだけでは問題の解決ができない。こういう話をいただいたかなと思う。これは、本当にいわゆる官のシステムだけで解決が出来ない。かといって、民に委ねても医療は難しいという中で、新しい公共という辺りをこの辺に答えがありそうだということは、大体皆様方がシェアをするようになってきたと思う。
それを、今年はもう少しどの辺を掘れば金脈や金鉱に当たるのかなという辺りを半歩でも前進し模索出来たらなと思っている。
まず、亀田先生に少しお伺いしたい。松田先生が提起した問題のどこら辺を取ってきたら良いだろうか」