事務局長「2回に何を期待?」と凄む 新型インフルワクチン
山口
「倫理委員会の承認を得たのが接種から3カ月後の採血まで。それ以上の採血は難しい」
岩田
「ここで問題になっているのは長期の免疫応答。先ほど、足立政務官もワクチン接種で得られた抗体価がどこまで保持されるのか検討してほしいと言っていた。妊娠期間中、保持されるのかは検証に値するのでないか」
廣田良夫・大阪市立大教授(中高生の臨床試験を担当=電話参加)
「私も今回は1回のデータで出したが、2回まで調べることを念頭においている。ただし2回目にどれだけ上がるかというのはサイエンティフィックな興味から来ていることであり、1回で効果が得られると分かった以上、現段階では接種率を上げることをめざすべきだろう。2回目の上がり方は頭打ちになることも考えられる。1回では上がらなかったけれど、2回打ったら上がったというような特殊なグループが存在すれば、そういう人たちには2回接種を推奨するというようなこともできるかもしれないが。まずは1回打ちで進めるべきだ」
栗山真理子・日本患者情報センター代表
「2回打ちを全員にするのか」
山口
「倫理委員会や同意書は2回打ちでスタートしている。途中で1回でも構わないという方針転換があったので、被験者は1回でも2回でも選択できるような状況になっている」
栗山
「これだけ顕著な結果が出たのに2回目を全員に打つことに抵抗がある。これだけの値が出ていても、さらに専門家は調べたいものなのか」
この意見交換会で求められているのは専門家による科学的な議論のはず。一般国民の目線が非常に大切なことも確かだが、入れる場を間違っているとしか思えない。
岩田
「抗体価が上がってない方もいる。この結果をもって、大多数の方は1回打ちでよいだろうということは言えても、1回か2回かどちらがよいかを検証するつもりなら、2回打ちしないと決められない。特に長期の、妊娠は何カ月も続くので、その間ずっと免疫が維持されているのかは時間をかけて検証しないと分からない」
栗山
「抗体価の上がってない方には2回打ちするという手もあるだろうが、上がっている方はもうよいではないか」