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「ドラッグ・ラグ」「2010年問題」などを議論 ─ 中医協(6月23日)

6月23日の中医協.jpg 厚生労働省は6月23日、中央社会保険医療協議会(中医協、会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)の薬価専門部会と総会を開催した。海外で承認されている薬が国内で使えない「ドラッグ・ラグ」や、大型製品の特許が切れる「2010年問題」などについて議論、医師の処方権を保障した「55年通知」による弾力的な運用などが争点となった。(新井裕充)

 

■ 薬価専門部会① ─ 次期薬価制度改革に向けた検討事項等
 

 薬価専門部会では、新部会長に森田朗委員(東京大大学院法学政治学研究科教授)を選出した後、保険局医療課の磯部総一郎薬剤管理官が現行の薬価基準制度について説明。今年度改定で導入された「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」(新薬創出等加算)の対象となった品目のリストや、同加算を適用した結果などを報告した。

 その上で、次期薬価制度改革に向けた宿題事項として、▽先発品より高い後発品 ▽後発品の収載品目数と薬価の大幅なばらつき ▽内用配合剤の取扱い ▽原価計算方式による算定方法 ▽新薬の処方日数制限─の5項目を挙げた。
 質疑では、新薬創出等加算による恩恵を受ける企業がグラクソ・スミスクラインやファイザーなど外資系企業に多いことを安達秀樹委員(京都府医師会副会長)が指摘、企業別の財政的な影響を示すよう求めた。

 磯部薬剤管理官は、新薬創出等加算に振り向けた金額が医療費ベースで700億円と回答。企業別の影響については、「まだ集計していないので精査して出したい」とした。

 次期薬価制度改革に向けた宿題事項については、診療側・支払側とも大筋で承認したが、「先発品より高い後発品」に関連して、小林剛委員(全国健康保険協会理事長)が「先発品と同額の後発品」についても検討することを求めた。

 また、安達秀樹委員(京都府医師会副会長)が「その他の事項」と前置きして、薬剤の規格と使用法との乖離を指摘。ぜんそく治療用の抗体医薬「ゾレア」を例に挙げ、早期の是正を要望した。
 磯部薬剤管理官は、「ゾレアについてはメーカーに要請したい。すでに(75㎎を)開発していると聞いている。一般論としては、薬の用法や用量に規格を合わせることが大事だろう」と回答した。

 このほか、中医協会長の遠藤久夫委員が国民医療費に占める薬剤費について質問。磯部薬剤管理官は、「薬剤費」に包括払いで使用する薬剤は含まれていないと回答した。
 

【目次】
 P1 → 薬価専門部会① ─ 次期薬価制度改革に向けた検討事項等
 P2 → 薬価専門部会② ─ 製薬業界における「2010年問題」
 P3 → 総会① ─ 未承認薬・適応外薬等
 P4 → 総会② ─ 高度医療の報告等
 P5 → 総会③ ─ 次期改定に向けた支払側の意見等

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