村重直子の眼11 薗部友良・VPDを知って子供を守ろうの会代表(上)
村重
「会の名称はどうやって決めたのですか。」
薗部
「会の名称をどうするかということで非常に議論しました。最終的には、VPDという言葉を使うのが一番よいと決めました。当時VPDは、世界では使われているし、日本でも先進の先生方の間では使われていましたが、一般の知名度が低い言葉でした。でもあえてそこを突破して使って広めた方がいいと考え、VPDって何? と訊かれたらこうだよと説明してきました。日本でVPDという言葉が使われるようになったことに、我々もささやかながら貢献できたのではないかと思っています。ワクチンを前面に出すと、ネットとかで調べた際に、間違った副反応情報の方にフォーカスが行き易いですね。そっちに持っていきたくないこともありました」
村重
「会員の構成を見ると、全国の先生方が入ってらっしゃいますよね。どうやってネットワークを作られたのでしょうか」
薗部
「お陰さまで会員数が400名近くになってるのです。熱心にワクチンを推進してこられた全国の小児科の先生方も何かしたいと思っていたのだと思います。そういう機運がある時にたまたま始めたことと、先生方がホームページを見るなどして、活動が決してブレてないということもご理解いただいて、このところ急速に参加者が増えていると思います」
村重
「ホームページを拝見すると、きちんとデータを調べてらっしゃることや、海外論文を見てらっしゃることが分かりますよね。そういう専門的なことが分かる小児科の先生方は、やはり日本の現状があまりにも遅れていると皆さん共通に思っていらっしゃるんでしょうね」
薗部
「おっしゃるとおりです。やはり助けられるものを救いたいというのが原点です。また世の中全体がワクチンギャップなどに気づいて、気運が高まったことにも助けられております」
村重
「いえいえ、先生方が始めてくださらなければ、何もしてこなかった何十年がまた伸びていたところです」