医業も商い

投稿者: 真木魔愛 | 投稿日時: 2006年08月30日 23:53

院長が口を酸っぱくして、言い続けた言葉のひとつが『医業も商い』です。

医療はれっきとした商売で、患者様に満足してもらうサービスを提供して、その対価を得て儲けを出さないと、さらに良い医療サービスはできないという意味です。経営の真髄なのでしょうが、意味を理解していた医局の先生は少なかったと思います。

ここで話は変わりますが、使用しているコンタクトレンズの在庫が切れました。
今までのように院内の眼科医に処方箋を書いてもらい、職員価格で購入もできないので、チラシが入っていたつくば駅ビルに隣接するコンタクトレンズ屋さんに行ってみました。

当然、横の眼科で診察を受けて、処方箋を書いてもらう必要があります。

この眼科の先生、私がリウマチで服用している薬の分量を細かく尋ね、まずシェーグレン症候群になると目が乾きやすくなるので、本来ならばコンタクトレンズより眼鏡の方が良いとアドバイス。
さらに診察をした結果、
「時々、白眼にコンタクトが動いたり、ごわごわ感がありませんか?」
と聞かれ、喉に刺さっている小骨が取れたような気分になりました。

そうなのです!!
他の眼科医には、異常なしといわれながら、いつも異物感がありました。白眼にコンタクトレンズがずれてしまうと取り出せなくて、リウマチで指先が効かないので、あげくコンタクトレンズを破いてしまって、レンズの破片が目の奥に移動し、その都度眼科医の世話になっていました。

机の上にある、目の模型を示して、
「それは、あなたの目は瞳の部分が小さく、カーブが標準より僅かに鋭角になっているからです」
と、理路整然と説明。

「視力も良く出ていますので、連日長時間装着しないなら問題はありませんが、何かあれば、今までのかかりつけ医でもよいし、こちらでもいいのですぐにおこしください」

眼科の先生が、リウマチと眼科疾患の関連について説明し、トータルに診てくださったのは初めてです。
その上、365日休診日なし。駅ビルが閉まるときだけ臨時休業とのこと。
待合室はとても混んでいました。

診療所は、大きな病院と違って待っていても患者は来ないのです。
近隣の同業者に患者を奪われないように、常に患者に選ばれるサービスの提供。
これぞ『医業は商い』実践編!

なんだか、起業の構図と同じ。ここにもニッチ産業ありと嬉しくなってしまいました。

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コメント

人間は誰でも、まず最初にパンが必要です
ね、それを得るには商いが必要。
薄暗く設備の悪い病院へ行くと、それだけで落ち込んでしまうのでは、、、。
私も現在、二月に一度の通院を致しておりますが、某大学病院から昨年、新規オ-プンしたクリニックに移りました。
オ-ル予約、待ち時間、一切無し、設備も最高水準、某大学の同じ医師、何時もニコニコ。
レントゲン室に入り、Xレイの照射が終わり、診察室に戻れば既にデ-タがモニタ-映し出されている。
丁寧な説明を受けて、会計に行けば、2~3分で終了。
1日を何と有効に使えることか、
多少医療費が加算されても仕方のない事、
待ち時間が皆無と云う事は他の患者さんとの接触も少なく、院内感染からも解放される。
でも未だ紅茶、コ-ヒ-の提供までは無いので安心しています。

儲けが出なければ
sustainable でないですものね。
まさに仰せの通り。
改めて頑張らねばと思いました。

>m,n。様

大学病院の先生が、サテライト・クリニックで診療されることは、生化学のデータに基づく最先端の研究を目的にする大学と違い、患者主体の医療に近づくのなら、とても意義のあることかと感じました。
院長が「儲け」にこだわるのは、磐梯山を望む生家が、三代続いた小さな小児科医で、そこで開業医の大変さを見て育ったからかもしれません。

>川口様

ロハス・メディカルが、ゆっくりと確実に利益を生む媒体となり、医療の建前と本音の溝を埋めていく発信源のひとつの力に育つよう
微力ながら応援しています。

末永く、大きくなりますように!!

患者さんが病院を選ぶ時代。
患者さんの声を受け取っても「仕方ないよね~」で終わっているような病院は、ただ自分達を守りたいだけなんですよね。
患者さんの声こそ、生かしていくべきと思います。

>海(kai)ちゃん

コメントありがとうございます。

「治してもらって当然」じゃなくて、患者が病院を動かせる声をだせるぐらい、知識を深めて先生方に一目おいてもらえるようになれば、なお理想的な関係が築けるのに。

でも患者さんは、たいてい苦しくて痛くて、動揺して、病気になると冷静さを欠いて、わがまま弱い存在になるのが常だと思います。
時間が経って、ようやく自分の置かれた状況を受け入れられるようになる・・・それまで時間がかかることを、もう少しわかってくださる先生が多くなればいいなと思います。

真木さん

ありがとうございます。
でも、患者さんのその時・・・とても苦しくて痛くて・・・そういう状況だからこそ、健康な時には見えない、大事な気づきがあるのだと思います。その声こそ、真の声だと思います。

そのような声を医療者や病院経営者が
よく理解し、受け止め、何が患者さんにとって必要なのか、なにが大事なのか、を考えていく姿勢が大事なのだと
思います。

それを、最初からつきはなすような対応をする病院と、それから何かできないか??と模索しようとする努力を見せられるかどうか。

大きな違いだと思います。

She pressed the head of the Ark, tell their young were near her end.