大臣の失言

投稿者: | 投稿日時: 2007年01月29日 16:48

厚生労働大臣の失言が問題になっています。
「産む機械(女性)の数は決まっているのだから・・・」と言ったとのこと。

6年前、私は、
不妊治療を考えているご夫婦と治療されているご夫婦を対象にした、
「きっと、いつかふたりの赤ちゃん」というテレビ番組で、
企画から取材、キャスターまでを担当していました。

100人近くの方をインタビューしましたが、
多くの女性と男性が、
こどもを埋めない自分は人間失格であるというような主旨のことを言っており、
その都度、とても複雑な悲しい気持ちになったことを覚えています。
不妊治療に翻弄されているとき、
みなさん妊娠できないカラダがよくないと否定しますが、
むしろ妊娠できないことで自分自身を全否定してしまうココロのバランスのほうが
悪くなっていると痛感しました。

女性は子どもを産まないと一人前ではないのでしょうか?
子どもを産まない女性に母性はないのでしょうか?

そんなことないはずです。
なぜならば、女性は「子どもを産む機械じゃない」から・・・
その時々のココロとカラダのバランスで、
その時々の女性としてのすばらしさを持っていると思います。
それは、産むとか産まないとか産めないに関係なく・・・。


もちろん、あたらしい生命を自分の力で産むことができるという女性に備わった機能は、
すばらしいです。

でも本当に尊いのは、その「機能」ではなく、
あらたな命を宿した時のココロとカラダのバランスなんです。
だから妊娠を機械に例えるなんて、ゼッタイにいけません。


こういう発言があるから、
将来子どもを産むことが不安になってしまうような世の中、なんだろうなぁ・・・。


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コメント

不妊治療をしていたとき、
やっぱり「人間失格」みたいな気持ちになりました。
友人からの、子供の写真入り年賀状を見るのが辛かった・・
不妊外来と産科外来が同じブースなのもやりきれない気持ちでした。

子供を生むことが一人前でも、偉くも、母性でもないです。
ゼッタイに!!

子供は社会の財産、授かりもの、そう思いたいです。

森さま

そうですよね。将来安心して子供を産める世の中になってほしいです。

子供を産む・産めない
いろいろな方がおられると思います。

子供を持つことで、たくさん学ぶことがあるのと同じように、
子供を持てないことで、そこから学ぶこともたくさんあるのだと思います。

どの立場にたったとしても、自分がかけがえのない存在であることには変わりがないと思っています。

がん治療の影響で、私は自分の子供を持つことはできないのですが、その代わりに得たものはたくさんあった、これからもそうだろう、と思っています。


森さま

同感です。

あるラジオ番組で、厚生労働大臣は辞任すべきかどうかのアンケートを行い7割が辞任すべきとの結果となりました。でも3割も辞任すべきでないと答えていることに驚きました。

少子化はいろいろな事情があってのことと思います。できることから改善すべきなのに、そのトップがあんな発言をするようじゃこの先どうなるか心配です。

反発を喰らうに決まっているのに
なぜこんな表現をしたのかは理解に苦しみますが
これを表現の問題に矮小化すべきでない
むしろ発言の裏にある彼らの本音こそが大問題だと
私は思います。


1)「彼ら」とは誰か
・大蔵省に代表される霞ヶ関の主流派住人と、その振り付けで踊る永田町の住人

「厚生労働大臣」ではありますが、柳沢氏はもともと大蔵省出身で金融族です。
厚生労働省が所管する「医療」「福祉」「労働安全」の範囲を狭め
大蔵省が旗を振る「財政再建」を進めることで利益を得る立場の人間です。

2)「本音」とは何か
・国民は「員数」でしかない

彼らの頭の中には「天下国家」はあっても、そこで暮らす「個人の幸福」はない。

本来は「個人の幸福」追求のために
個々で取り組むより皆で協力した方が良いこととして
「公」やその担い手としての「国家」が存在し
そこから利益を得る成員が対価として義務を果たすというのが自然なあり方なのに
(その義務を果たさない人間が増えて困っているのもまた事実ではありますが)
彼らは「まず国家ありき」で発想しているわけです。

崇高な理念に裏付けられているならまだしも
要は「現体制」での「勝ち組」である彼らにとって
「現体制」の維持こそが自己利益につながるというだけのことで
「天下国家」を維持するために人口が減ると困るから
「産めよ増やせよ」の政策立案しかしないわけです。

しかし本当にそうなのか?
地球環境全体を考えれば既に人口過剰でないのか?
人口が減っても廻る社会構造こそ模索すべきでないのか?

柳沢発言から
こんなことを私は考えました。

TVでですが、あのスピーチのパターンを聞いて、
「この人の基本的な思考回路は、産業革命の頃のままなのか?」
とびっくりしました。

国会で謝ってる(根本的になにか誤ってる?)シーンを見て、
まだしっかりとした判断はできないとはいえ、
宮崎県知事のほうが、はるかにコミュニケーションが上手ですね。

センセイって、適材適所というのがなかなか実現できないですね。
だから、たまにぴったりな人がなると
妙に喜んでしまいます。

このズレズレ感、日本ってすごい国だ、ホント。

みなさま
コメント有難うございます。
大臣や総理は「たかが言い違え」くらいにしか思っていないのかも知れませんね。
これはもう大臣が辞めれば済むとかいう問題でもなく・・・深い深~い問題です。
一方、ここぞとばかりに攻撃している偽善系の人たちにもうんざりです。

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