舐められたものだ

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2008年03月28日 17:23

昨日お伝えした議連の会合。
こういうやりとりがあったのだが


鈴木寛・議連幹事長
「医療計画で量から質への転換というのは結構なことだと思うのだが、救急患者の受け入れ困難の理由の中で後方ベッドの不足というのもあるはず。4疾病5事業に関しても病床規制は残るのか」

佐藤敏信・医政局指導課長
「総病床数についての広い意味での規制は残る。計算式も同じ。救急医療に関する受け入れ不能の理由の中の10%から20%はたしかにベッドがないというもの。そういう報道がされると病床足りていないのでないかという誤解を招くけれど、実際のはベッドの利用率はじわじわ下がってきている。最も利用率が高いであろう救命救急センターでも80%を切るくらい。その母体病院でも20%空いている。ではなぜ病床が空いていないかというと、私達もいろいろ話を聴いてみて、病床の上手な融通がうまくいっていないのでないかと結論している。診療科ごとのベッドの固定化というか、ベッドの割当が実情に合わなかったら需給に合わせて割当を変えるべきだが、それができていないから、ある診療科ではベッドが空いているのにその枠が必要な救急に回せていないということだと思う。そうした現状を踏まえながら適切に計画を作って指導して参りたい」


今朝の新聞にこんなニュースが載っているではないか。
産科病床数の上限撤廃、妊婦受け入れ改善(読売新聞朝刊)

産科医不足で、全国の産科医療機関が相次いで閉鎖されるなか、厚生労働省は、現在診療を受け入れている産科医療機関の能力を最大限に活用するため、地域ごとに設定されている病床の上限数から、産科病床を例外的にはずすことを決め、27日、各都道府県に通知した。
(以下略)


片方で通知を出し、しかも国民の代表でも何でもない記者クラブには情報を流しておきながら
我々の正当な代表である国会議員に説明しないとは一体どういうことだ?
さきの選挙で鈴木寛さんに一票入れた人間として、この不遜さは許し難い。

<<前の記事:12歳とパスポート    浅知恵(1):次の記事>>

コメント

ごくろうさまです。官僚って全くわかってないですね。
ベッドコントロールって大変ですよ。
各診療科には、当然慣れ不慣れがあって、眼科ベットに呼吸器疾患患者押し込むようならもう大変。
看護師さんが大変なのはその通りですが、慣れ不慣れによって病態急変にも対処出来ない可能性もあります。

もう一つの問題は、ベッドがあっても看護師、医師不足により危なくて入院させられない事態もあります。

私が勤務していた病院は100床のうち80床を超えると、とたんにナースステーションの落ち着きがなくなります。

量より質といいながら、一見「ムダ」と見える部分の確保って大切なことなんですよね。

むかしテレビで放映された「ER」を覚えていらっしゃいますか?
ERでテキパキと働くレジデントのグリーン先生やカーターに比べて
時々コールされて仕方なく出てくる循環器専門医や小児科医・産婦人科医の不機嫌なこと。呼ばれても来ないし、やっと来ても不機嫌きわまりない。

多くの病院において、あの専門医たちは我々そのものなのですよね。外来や病棟にて目一杯勤務している状態でERから突然呼び出される。そう考えてみれば機嫌が悪いのも頷けるところです。
厚労省は効率化ばかり唱えていますが、ぎりぎりで作業していると、いざスクランブルの時、修羅場と化します。

第一、最近の医療機関において、切り捨てることの出来る「余裕」って残っているのでしょうかね?

>一内科医先生
コメントありがとうございます。
官僚たちは
救命救急センターを
予約で埋められるホテルと勘違いしているのでないかと思います。

コメントを投稿


上の画像に表示されているセキュリティコード(6桁の半角数字)を入力してください。