計画配置に撤回要求 |
|
投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2009年02月27日 16:00 |
医師のキャリアパスを考える医学生の会が
研修医の計画配置撤回を求める声明文を出しました。
臨床研修制度改定における計画配置について 声明文 平成21年2月27日昨年9月に設置された森喜朗元総理の自由民主党「医師臨床研修制度を考える会」の提言内容どおり、2月18日に最終回を迎えた「臨床研修制度のあり方等に関する検討会」に続き、2月26日の医道審議会医師分科会医師臨床研修部会より公表された新臨床研修制度検討にあたってのたたき台の中に、「研修医の地域的な適正配置を誘導するため、人口分布を始め医師養成規模・地理的条件等を考慮した都道府県別、病院別の募集定員の上限を設定する。」というものがあった。 これは教育体制の整わない病院にも未熟な医師を強制的に配置し、国民が将来享受する医療の質の低下を招くものであり、「医師のキャリアパスを考える医学生の会」は、絶対にこれを容認できない。
そもそも医師不足問題と医師の教育は切り離して扱うものであり、臨床研修の目的が「医師としての人格の涵養」、「基本的な診療能力の獲得」であることを見失ってはならない。 膨大な医学知識・技術が日々生まれる現在、地域医療の支えとして望まれているのは研修医ではなく、臨床経験豊富な熟練の医師であるのだから、研修医がよい教育を受けることこそ、日本の将来の医療を担う優秀な医師を育てるために必要である。
「研修医はお金をもらって働いている医者なのだから医師偏在問題に貢献すべきだ」(杉野剛医事課長)と、研修医を単純に労働力としてのみ考えている風潮もあるが、卒後数年間にきちんとした指導医のもと充実した教育を受け経験を積むことが、将来優秀な医師となる上で大変重要であるということは、疑う余地が無い。現在の制度下で、公開されている情報を基に医学生が教育環境の整っていると考える病院を選んだ結果、都会・地方にかかわらず教育に力を入れている病院に研修医が集まったのであり、それに国が介入することは、研修医からよい教育を受ける機会を奪うものである。
「医師のキャリアパスを考える医学生の会」は、都道府県別募集定員の上限設定と病院別募集定員の設定の撤回を要望する。
連絡先:
医師のキャリアパスを考える医学生の会
http://students.umin.jp/
doctorscareer@gmail.com
(事務局 森田)
<<前の記事:周産期は妊産婦だけのものにあらず。 署名といえば。:次の記事>>
コメント
素晴らしい声明文だと思います。
特に
>医師不足問題と医師の教育は切り離して扱うもの
>臨床研修の目的が「医師としての人格の涵養」、「基本的な診療能力の獲得」であることを見失ってはならない。
というあたり。
より良い医師になるために、より良い臨床研修を受けたいと真剣に考えている医学生さんたちによる、声明文なのでしょう。
彼らの声が黙殺されないことを願います。